猫は犬のように甘えない生き物と感じている人は少なくありません。気まぐれで鳴くのはご飯が欲しい時だけといったこともあり、自由気ままで、自分勝手とも受け止められがちです。そんな猫ですが、実は様々な仕草で私たちに感情を伝えています。うまくその愛情表現に答えてあげることができれば、猫との絆も強くなります。そこで今回は、猫が甘えてくる時に見せる行動について詳しくご紹介します。
目次
猫が甘える時に見せる行動はコレ!
猫が甘えてくれない、と感じていても実は猫の方は甘えているということがあるもの。猫のさりげない仕草をよく観察してみることが必要です。
1.尻尾をたてて体をすりつける
猫が尻尾をたてるのは、母親に甘えていた子猫時代の名残です。排泄はお尻をなめてもらってしていた子猫の時と同じように、飼い主に愛情表現をしています。さらに頬やあごをすりつけ、自分の臭いをつけることで、「これは私のもの!」と言っているのです。
2.のどをゴロゴロ鳴らす
猫はのどを撫でられたりすると、のどをゴロゴロと鳴らします。この音は母猫のお乳を出させるための音など、様々な説はあるものの、おねだりをする時や甘える時にも鳴らします。この時は、猫が安心しリラックスしている状態といえます。猫によって音は様々で、大きな音をたてる猫もいれば、指で触ってみて気がつくほど小さな音の猫もいます。
3.前足でもむ仕草
猫が体に乗ってきて、腕やお腹を前足でもむ仕草も猫が甘えているサインのひとつです。これは子猫の頃に母猫のお乳をもんで刺激していた時の名残です。小さな頃から人間と一緒に暮らしている猫は、体が大きくなっても心は子供のままなので、この仕草が残っているのです。
4.高い声で鳴く
いつもはあまり鳴かないのに、飼い主を見上げながら高い声で鳴き、飼い主の周りをぐるぐる回ることがあります。これはいつもは甘えない猫が積極的に甘えたいと思っているからこその行動です。
5.お腹を見せて横になる
猫が側に近づいて来て、お腹を見せるように横になったり、伸びをしたりすることはないでしょうか。これも猫が甘えている仕草です。猫を含め、動物にとってお腹は弱点なので、これを見せるということは相手を信頼しているからこそです。猫は自分を見て欲しい、構って欲しいと仕草で言っていますが、お腹を触ると嫌がることもあるので、猫の喜ぶところを見つけて撫でるようにしましょう。
甘えるときにはどうしてあげたらいい?
猫は単独行動を常としている動物なので、普段は甘えてきません。だからといって飼い主に対して愛情や信頼がないわけではありません。マイペースであることは、猫が安心して暮らせる場所であると認めているからでもあります。そんなマイペースな猫でも、急に甘えてくることがあります。
甘えてくる仕草に、ついうれしくなってオーバーアクションで返してしまうと、猫は驚いて警戒するようになります。猫の甘えたがっているサインに、適切に答えてあげましょう。
遊んであげる
留守番をしていたあとや、飼い主が不在だった時などには、甘えてくることが多いので、猫に付き合って遊んであげましょう。ねこじゃらしやおもちゃを使って、猫が飽きるまでは遊んであげることが大切です。
頭や体を撫でてあげる
猫は自分の知っている臭いに敏感です。自分の臭いを飼い主につけるように、飼い主にも触って欲しいので、撫でてあげましょう。ただしやり過ぎると不機嫌になることもありますので注意が必要です。
猫は信頼度が上がるほど、甘えた行動は少なくなる動物です。こちらから無理矢理触ろうとしたり、近づくのは止めておきましょう。何もせずじっとしていれば、猫の方から側に寄ってきます。
猫が甘えてこない理由は?
甘えることの少ない猫とはいっても、友達の家の猫は膝にも乗ってくれるのに、うちの子はちっとも甘えてくれない…ということもあります。猫の個性の違いでもありますが、甘えてくれない猫にもいくつかの理由があります。
家の中が落ち着かない環境である場合
猫にとって家の中がくつろげない空間だと、甘えないことがあります。猫が一人で過ごせるような場所が確保できているかどうか、またトイレが汚れていたり、ご飯が足りないことはないかよく確認しましょう。
飼い主の猫への接し方が間違っている場合
猫は基本的に子供が苦手です。それは、急に大きな声や音を出したり、体や尻尾をつかんだり、予測不可能な行動をするからです。それと同じようなことをしていないでしょうか。猫は耳がいいので、人間がそれほど気にしていない音に、敏感に反応しています。そっけない程度の距離感が必要です。
子猫の頃に甘え方を学ばなかった
子猫は母猫から様々なことを学びます。そのため、生後3ヶ月から4ヶ月ぐらいまでは、母猫と一緒に暮らす必要があるとされています。しかし捨てられたり、母猫が死んでしまったなど、様々な理由から甘え方を知らなかったり、人間にいじめられたりした経験を持つと、人間に対して不信感を抱きます。
毎日接し、ご飯やトイレの世話をきちんとすることで、時間はかかりますが信頼関係を築くことは可能です。猫が甘えてきてくれるまで、辛抱強く待ちましょう。
性別や年齢で甘えん坊になることもある
猫はオスの方が甘えん坊の傾向があります。また去勢や避妊をすることで、おとなしくなったり甘えん坊になることもあります。また年齢を重ねると甘えることが増えます。
猫によってはなかなか甘えない猫もいます。そんな猫が急に甘えてきた時は、病気の可能性もあります。猫が普段どんな態度を取っているか、よく観察しましょう。
甘えてこない時の対処法
猫が甘えてこないのは、飼い主が嫌いなわけではなく、単に甘えない個性だと受け止めましょう。そんな猫でも知らない人が来た時や、病院に行った時など、甘えなくても飼い主に張り付いて離れなくなることがあります。
これは飼い主が自分を怖いものから守ってくれる、信頼できる相手だと認めているからこその行動です。日頃甘えることがなくても、猫は自分のことを好きでいてくれることに変わりはありません。
甘えベタともいわれる猫ですが、さりげない仕草でアピールしていることも多いもの。猫の個性を尊重し、甘えたいサインを見逃さないよう接していきましょう。