便秘がちでなかなかすっきり出ない、またお腹がいつも張っている感じで気持ちが悪い、そういった場合にはガスだまりが発生している可能性があります。このガスだまりはなぜ起こってしまうのでしょうか。そこでガスだまりが起きる原因やそれを起こす病気について、さらにガスだまりを解消するための対処方法について詳しくご紹介します。
目次
ガスの発生源はどこ?
お腹にガスがたまるガスだまりですが、私たちの体には常にガスがコップ一杯分ほどの量発生しています。
口
呼吸の際に口から飲み込む空気によって発生します。
胃
消化の際に分泌された胃液が、膵液で中和される際にガスが発生します。
腸
腸内細菌の活動でガスが発生します。
これらのガスは血液が吸収し、肺を通ってゲップとなる、もしくは腸から排出されておならとなります。この排出される量と発生する量はバランスが取れていることから、通常は体の中には一定量以上たまることはありません。
ガスだまりの原因とメカニズム
ガスだまりが起きる原因としては、ガスの発生量が増えることによるものと、ガスの排出量が減ることによるものとがあります。
1.ガスの発生量が増えることによるガスだまり
口から入る空気の量が増えるため
食事が早食いだと、口から入る空気が増えます。またおしゃべりしながらの食事も、多くの空気が食べ物と一緒に飲み込まれるためガスの発生する原因になります。そのほか、炭酸飲料の飲み過ぎや、一気飲みすることも空気を取り入れやすくする要因です。
悪玉菌の増加によるもの
偏った食事で便通が悪くなると、腸内細菌のバランスが崩れて、悪玉菌が多く発生し、腐敗発酵によって排出される悪臭ガスがたまります。
2.ガスの排出量が少なくなることによるガスだまり
ガスが正常に排出されない原因は、以下のような要因で腸の活動が低下していることがあげられます。
腸を圧迫している
長時間座りっぱなしでの作業をしている、またストッキングや下着での締め付けも腸を圧迫します。
おならを我慢している
なかなかトイレに行くことができなかったり、おならをすることが恥ずかしく我慢し続けることも、ガスをためてしまいます。
腸のぜん動運動が弱くなっている
腸がぜん動運動をおこなうことで、便やガスを排出しますが、この運動には腹筋の圧力が必要です。腹筋が弱いと、排出が上手くいかなくなります。
女性ホルモンの影響
女性は排卵後から月経前までは、便秘になりやすいといえます。これはこの時期に分泌される黄体ホルモンにより、腸の水分バランスが崩れやすくなるためです。
ストレスや疲労の影響
腸は自律神経の影響を受けやすく、ストレスや疲労がたまると自律神経が乱れやすくなるため、腸の働きが低下します。
ガスだまりを発生させる病気とは
ガスだまりが起きる原因には、病気によるものもあります。この場合は病気の治療を先にしなければ、症状を繰り返すことにもなります。
かみしめ呑気症候群
ストレスなどで奥歯をかみしめることが習慣になると、唾液を飲み込む回数が増え、同時に空気を飲み込む回数も増えます。胃や腸に空気がたまり、悪化すると食欲不振や頭痛、あごの痛みなどが起こります。
腸閉塞
腸の内容物が正常に押し出されずにたまってしまうことから、腸が膨らんで腹痛や嘔吐といった症状を引き起こします。悪化すると炎症を起こすだけでなく、腸が破裂することも。
このほか女性特有の病気である卵巣嚢腫や子宮筋腫によって、腸が圧迫され、ガスだまりとなっていることもあります。腹部の張りや痛みを感じるときには、早めに病院で診察を受けることも必要です。
ガスだまりを改善する方法
ガスだまりを解消するためには、腸の活動を活発にすることが必要ですが、腸は意図して動かすことはできません。そのため、腸が活動しやすくなる環境を整えることが必要です。
食事で改善する
早く食べる習慣がある人は、口に入れたら20回から30回は噛むようにしてみましょう。ゆっくり食べるように心がけるだけでもガスたまりを防ぐことができます。
さらに腸が活動しやすくするためには、血行の改善も必要なので、体を冷やす冷たい飲み物や野菜や果物の摂りすぎにも注意が必要です。
また腸内環境を改善するためにも、乳酸菌やビフィズス菌が含まれるヨーグルトや納豆など発酵食品を積極的に摂ることもおすすめです。
運動をして腸の活動を助ける
朝起きたときと寝る前にガス抜き体操をおこないましょう。
1.仰向けに横になります。
2.両膝を持ち上げ、両腕で抱えます。
3.息を吐きながら、抱えた膝を胸に引き寄せます。
4.息を吸いながら足を戻します。
息を吐く、吸うを1セットで5セットほどおこないます。
動画を参照におこなってみましょう。
腸をマッサージする
のの字をお腹に描くようにマッサージして、腸の働きを刺激しましょう。便秘気味の人などは、こまめにおこなうとお通じにつながります。
ガスがたまりやすい食べ物にも注意しよう
ガスの発生を抑え、ため込まないためには、ガスを発生させやすい食べ物を控えることも必要です。
食物繊維の摂りすぎに注意する
腸を刺激する不溶性食物繊維には整腸効果がありますが、食べ過ぎると便秘の原因ともなります。水溶性食物繊維を1とし、不溶性を2の割合で摂るようにし、水分補給もしっかりすることが必要です。水溶性の食物繊維はこんにゃく、わかめなどに多く含まれ、不溶性食物繊維はゴボウや大豆などに含まれます。
高脂肪・高タンパクの食事を控える
肉料理や油を使った料理、甘いものなど、消化に時間のかかるものはガスを発生しやすくなるので、控えることが大切です。
ガスたまりはゲップやおならを増やすだけでなく、体臭の原因にもなります。腸の活動を活発にし、ガスをためない生活を心がけることが大切です。