女性にも多い痔の悩み。市販薬を購入するのも、病院で診察を受けるのも恥ずかしい気持ちになってしまいますよね。そんな痔の中でも悩まされている方が多いのがイボ痔です。内側にできたイボには中々気づかず悪化させやすいのも厄介なところといえるでしょう。
今回はイボ痔について詳しくお話しするとともに、その原因や自分自身でできる治し方について解説していきたいと思います。
目次
イボ痔とは?
まず、イボ痔とはどんなものなのかについてお話していきましょう。
イボ痔の特徴と種類
イボ痔は肛門の内外にイボができ、痛み・出血・かゆみなどの症状を引き起こすものです。直腸と肛門の境にあるギザギザとした歯状線から内側にできるものと、外側にできるものの2種類存在するのが特徴のひとつといえるでしょう。
内側にできるイボ痔
内痔核は直腸付近にできるため、肛門よりも内側に存在します。特徴としては、初めは痛みを感じることがないため、発覚が遅れやすいということです。
外側にできるイボ痔
一方外痔核は肛門付近にできることから、指で触ることができたり、お尻に不快感があるため内痔核と比べて早期に発覚しやすいです。
また、表面が皮ふで覆われているため痛みをともないます。
イボ痔の原因
ではどうしてイボのようなものが直腸や肛門付近にあらわれてしまうのでしょうか。原因として考えられるのは下記の6つです。
1.立ちっぱなし、座りっぱなしなどの姿勢
座ったままや立ったままといった姿勢をとり続けることで、血液循環を滞らせてしまうことがあります。特に座位では肛門への負担が大きいため、イボ痔ができやすいといえるでしょう。
2.血行が悪い
肛門付近だけでなく、全身の血行が悪い状態では痔を引き起こしてしまう恐れがあります。そもそも、肛門まわりの静脈や血管の血流が滞ることからイボが発生するため、血行促進を妨げる行為は控えなくてはなりません。
3.排便の際強くいきみすぎる
排便習慣がある方はそこまでいきまなくても自然と排便できるのですが、便秘などで強くいきむのが癖になっている場合、かなりの負担をかけていることも。
4.偏った食生活
偏った食生活を続けると、当然便にも影響が表れ始めます。便は私たちが摂った食事から構成されています。水分が少なすぎると固くなり、便の排出が困難になると肛門への負荷も大きくなります。
5.便秘
便秘は便を長い間腸内に留めることになるため、肛門から出ようとする便が大きくなるだけでなく、出口に固まった便が生じることから、いきみが強くなりがちに。
6.お酒や喫煙
お酒はうっ血を引き起こしやすくさせ、たばこには血液の流れを悪くする働きがあります。どちらも痔だけでなく、体に悪影響を及ぼしやすいため注意が必要でしょう。
早く治すために自分でできること
さまざまな原因から作り出してしまうイボ痔。病院へ行く前に自ら対策することはできないのでしょうか。もちろん、病院にて適切な処置を受け、薬の投与を試みることも大切ですが、まずはイボ痔ができるそもそもの原因を改善してあげることが早期完治につながります。
血流改善のためにできること
肛門まわりだけでなく、体内の血流を改善することが完治の近道といえます。
冷やさない
お尻に冷えが生じている女性は多いと思います。触って冷たいと感じたら、当然肛門付近も冷えてしまっていると考えておきましょう。
そこでおすすめしたいのが毎日の入浴や温めグッズの使用です。
入浴は必ず湯船につかること。心地よいと感じる湯温を心がけ、20分は毎日つかるようにしてください。全身の血の巡りが改善され、お尻も温めることができます。
また、カイロや保温機能がある下着、腹巻などを活用して、普段の生活から冷やさないよう工夫することも効果的です。
軽い運動
ランニングなどの運動は、運動習慣がない方にとっては始めにくく、つらいものとなってしまいます。しかし、ただ近くを散歩するなどの軽い運動なら、誰でも始めることができますよね。
運動による健康効果は大きく、全身の血行促進効果や体温を高める効果も期待できます。根本から冷えを改善したい場合には、こまめに動く習慣をもつと良いでしょう。
質のよい便にするためにできること
野菜と水分を積極的に摂る
野菜に含まれる食物繊維は、便の排出を促してくれます。また、柔らかく出やすい便にするため、水分をとることも大切でしょう。
こまめな水分摂取を意識し、お肉や脂っこい食事を摂り続けるのではなく、バランスのとれた食事を心がけてください。
良質な油を摂る
えごま油などをサラダにかけ、毎日少量摂取することで肛門からするんと便が出てくれるようになります。摂り過ぎは良くないですが、良質なものであれば毎日スプーン1杯、生の状態で摂るようにすることをおすすめします。
骨盤底筋を鍛えてイボ痔知らず!
肛門を閉じる、開くといった動作は筋肉によって行われています。この動作を排便時だけでなく、普段から意識して鍛えることで予防につながります。骨盤底筋を鍛えるとこの筋肉も同時に鍛えることができるため、ぜひ取り入れてみて下さい。
鍛え方
1.まず、仰向けの状態から膝をたて、肩幅程度に開きます。
2.力まずリラックスした状態で始めていきましょう。
3.腹部は楽にして、肛門に意識を集中します。
4.ぐっと肛門を内側へしめるようにしながらお尻を持ち上げていきましょう。
5.締める力は緩めず、そのまま5秒間維持します。
6.肛門を開くよう力を抜いて元の体勢に戻ります。
7.これを10回繰り返していきましょう。1日3セットが理想です。
就寝前や起床時の習慣にすることで楽に続けられると思います。寝たまま行うことができるため、継続しやすいエクササイズですね。妊娠や出産後にイボ痔ができてしまったという方にもとてもおすすめの体操ですよ。
イボ痔になる原因を改善することは、健康・美容両方において良い効果をもたらしてくれます。痛みや出血、かゆみなどのつらい症状を引き起こす前に対策を始めていきましょう。