「便失禁」の原因と、対策にオススメな「骨盤底筋体操」のやり方

「便失禁」の原因と、対策にオススメな「骨盤底筋体操」のやり方

便意を我慢できず便が漏れてしまう、また便意を感じずにいつの間にか便が漏れてしまう便失禁は、肛門の括約筋が弱ることによって起こります。様々な原因や元となる疾患などが考えられますが、便失禁を改善、治すためには括約筋を鍛えることも必要です。そこで今回は便失禁の対策や予防方法について詳しくご紹介します。

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便失禁とは?

便失禁とは、無意識のうちに便が漏れたり便意を我慢できずに便が漏れる疾患のことをいい、その症状や原因によって分類されます。

便失禁の症状による種類

切迫性便失禁

便意を感じるものの、我慢ができないため漏れてしまう疾患です。

漏出性便失禁

便意を感じることがなく、自覚していないうちに便を漏らしてしまう疾患です。

混合性便失禁

切迫性と漏出性の便失禁がどちらも起きる疾患のことをいいます。

便失禁の患者のほとんどは漏出性で、便を漏らさないようにしている肛門周辺の括約筋が加齢などで衰えることから起こり、高齢者に多く見られる疾患です。

「便失禁」の原因と、対策にオススメな「骨盤底筋体操」のやり方

便失禁の原因とメカニズム

さらに便失禁を起こす原因も様々なものがあります。症状や便失禁が起きる仕組み別に詳しくご紹介します。

肛門や直腸、括約筋の損傷から起きる便失禁

出産の歳に肛門にある括約筋が損傷したり、直腸の手術で括約筋の一部を切除した場合、また肛門の手術をおこなって括約筋を切るといった処置がなされたとき、便を溜める働きが正常にできない、また肛門をしめる力が弱まるために便失禁が起きることがあります。出産の際に起きる切迫性便失禁は、出産後数年してから症状が起きることもあります。

神経の障害によって起きる便失禁

脊髄を損傷して、神経になんらかの障害が起きたときに、便意を感じることができなくなり、腸に便が溜まって漏れてしまうことになります。

蓄便機能の障害によって起きる便失禁

過敏性腸症候群といわれる、過剰な便意から便失禁が起きる疾患です。括約筋に問題がないことがほとんどで、直腸が過敏反応してしまうことから便失禁してしまいます。

括約筋の衰えによって起きる便失禁

加齢で括約筋が衰えている、運動機能障害で肛門周りの筋肉が弱っている場合に起こります。

さらに便失禁の原因として、薬の副作用下剤の効果が出すぎた場合にも症状が起きます。便を溜める機能である直腸と、便を出す肛門の機能がバランスを保っていない状態になると、便失禁が起きやすくなってしまうのです。特に寝たきりなどで、便を排出する力が弱り、また排便の習慣が少ないと便がつまりやすく、また排便のサインに気づかなくなってしまうため、便失禁につながります。

また心理的なストレスや、環境によって便失禁が起きることもあります。トイレを我慢しすぎたり、またトイレが汚い、外のトイレではできない、といったことがあると、肛門に溜められる限度以上の便を溜めてしまうのです。

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便失禁対策の骨盤底筋体操のやり方

骨盤底筋とは、骨盤の底にある筋肉で、ハンモックのように内臓を支えています。インナーマッスルである骨盤底筋は、肛門や膣を閉じる筋肉ですがなかなかその衰えに気がつきにくく、また出産や加齢だけでなく、座り仕事をしている人もゆるみがちな傾向にあります。

骨盤底筋を鍛えることは、便失禁や尿漏れを改善するだけでなく、骨盤底筋がつながる背中や腹、太ももの筋肉が働くようになるので、体のバランスが安定し体が引き締まる効果もあります。

骨盤底筋を鍛える方法は、様々なものがありますが、基本的には姿勢を正し、尿道や肛門、膣を意識して締めたりゆるめる方法です。立ったままできる方法、座ったままできる方法、寝た姿勢でできる方法をそれぞれご紹介します。

立ったままおこなう方法

1.尿道・肛門・膣に力を入れます。すぐにゆるめ、また締めるといった動作を3回繰り返します。
2.今度は同じように力を入れますが、意識しながらゆっくりと締めていきます。そして5秒間ほど締めたままにし、それから同じようにゆっくりとゆるめていきます。この動作も3回繰り返します。
3.締める、ゆるめるにかける時間をだんだんと延ばし、締める、ゆるめるの回数を増やし、静止する時間も長くしていきましょう。

座っておこなう方法

1.背筋を伸ばして椅子に腰掛けます。
2.クッションかたたんだバスタオルを股ではさみます。
3.おへその下あたりに意識を向けながら腹式呼吸をし、太ももに力を入れ、息を吸いながら膣や肛門、尿道を締めます。
4.5秒間そのまま締め、息を吐きながらゆるめます。
5.3と4を1セットで、5セット繰り返します。

横になっておこなう方法

1.仰向けに横になり、膝をたてます。
2.両手を骨盤の両端において、息を吐きながら筋肉の動きを感じます。
3.息を吐いたら、そのまま吸います。
4.今度は足を組みます。
5.両手を体の外側において、お尻を浮かせながら筋肉を意識します。
6.5回お尻を上げ下げし、足を組み替えて同じように繰り返します。
7.お尻をつき、両手を骨盤の両端におき、ゆっくりと息を吐きながらお尻をあげていき、5秒間その姿勢を保持します。
8.ゆっくりとお尻をおろします。

動画を参考におこなってみてください。

便失禁は治療可能な病気

尿漏れと違い、便失禁はその症状があることを認めたくない、また話題にしたくないという人が多く、病院に行くことをためらう人もいます。しかし便失禁が起きる原因がわかれば、病院での治療が十分に可能なのです。

軟便や下痢が原因の場合

下痢の解消や下剤の調整、便を固くする薬の処方で解決します。

便失禁が起きるパターンがある場合

排便をしたのに失禁してしまう、便意はあるのに出ない、といった場合には排便指導がおこなわれます。失禁をしないためにトイレに行く習慣をつける、括約筋を鍛える訓練をおこないます。

上記2点で解決しなかった場合

外科的療法である、括約筋の形成手術人工肛門といった手術をおこないます。外科的療法ですが、体への負担が少ない仙骨神経刺激法は、刺激装置によって排便を制御する神経に作用し、排便を感じられるようにする治療法です。保険が適用されるほか、高額療養費制度の対象となっていますので、負担が少ない治療法です。

便失禁の治療は様々な治療法が出てきており、手術をおこなわなくても改善する人がほとんどです。外科手術も体の負担が少ない方法が出てきていますので、一人で悩まず、早めに病院での診察を受けることも必要です。

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