習慣としてコーヒーを飲んでいる方は多いですよね。毎朝のコーヒーは欠かせないという方も大勢いるかと思います。
そのコーヒーがダイエットに効果があるという話が、一時期メディアで話題になりました。
どのようなダイエットにもいえることですが、コーヒーダイエットも賛否両論。実際に痩せたという方もいらっしゃる一方で、効果がなかったという方や、身体に悪いからやるべきではないという方もいらっしゃいます。
確かにコーヒーにはダイエット効果があるのですが、飲み方を間違えるとその効果を得られないだけでなく心身に様々な悪影響が出てしまうのも事実です。コーヒーの良いところも悪いところも把握して、正しい活用法を身に着けることが大切なんですね。
そこで今回は、コーヒーの持つダイエット効果を改めておさらいし、ダイエットに効果的な飲み方や気をつけるべき点などコーヒーをダイエットに活用するための情報を詳しく紹介します。
目次
コーヒーのダイエット効果
ではまず、コーヒーの持つ7つのダイエット効果をご紹介しましょう。
1.カフェインによる脂肪の分解・燃焼効果
コーヒーが持つ代表的な成分といえば「カフェイン」ですが、そのカフェインは消化酵素である「リパーゼ」を活発にするはたらきを持っています。
リパーゼは数ある消化酵素の中で脂肪の分解を担当しており、リパーゼが活発にはたらくいて脂肪が分解されることで、脂肪を燃焼し、落としていくことができるようになります。
2.クロロゲン酸による脂肪の蓄積と糖の吸収の抑制効果
コーヒーには、ポリフェノールの一種の「クロロゲン酸」が含まれています。クロロゲン酸は、別名「コーヒーポリフェノール」とも呼ばれており、コーヒーの苦味や香り、色のもととなっている重要な成分で、その含有量はカフェインを上回ります。
クロロゲン酸には、脂肪の蓄積と糖の吸収を抑えるはたらきがあるほか、自律神経の活動を促進するはたらきがあることもわかっています。
ただし、クロロゲン酸はコーヒーの生豆には多く含まれているものの熱に弱く、焙煎すると含有量が5%以下にまで減ってしまうと言われています。最近は特定保健用食品としてクロロゲン酸を添加したコーヒーがも販売されいますので、そういった商品を利用するのも手でしょう。
3.血行促進効果
カフェインは血行を促進するはたらきを持っています。血流が良くなると基礎代謝も上がり、カロリーもより消費しやすくなります。また、末端まで十分な血液が贈られることで、冷えやそれによる身体のコリも解消されます。
4.むくみ解消効果
血流が良くなるとリンパの流れも良くなるため、身体に溜まった老廃物や余分な水分が効率的に押し流されるようになります。また、カフェインの持つ利尿作用により、押し流された老廃物などが素早く排出されるようになり、むくみの解消に繋がります。
5.便秘解消効果
カフェインには、胃の活動を活発にして、大腸の収縮を促すはたらきがあります。これにより大腸のぜん動運動が活発になり、便秘の解消に繋がります。これは、身体がカフェインの刺激に慣れていない、日頃そんなにコーヒーを飲む習慣のない方にとって、効果がより高くなります。
6.生活習慣病の予防
肥満は、糖尿病や高血圧、心筋梗塞や脳卒中といった生活習慣病のリスクを高めます。
しかし、クロロゲン酸には血管の健康維持に重要な役割を持っている「血管内皮機能」を改善するはたらきや血圧を改善するはたらき、血糖値の上昇を抑えるはたらきがあります。これにより、血栓ができるのを防いだり、血圧や血糖値の上昇で引き起こされる生活習慣病の予防に繋がるのです。
7.リラックス効果
「コーヒーの香りに癒される」という経験がある方は少なくないと思います。
コーヒーの香りを嗅ぐと、リラックス状態のときに発生するα波という脳波が出ることがわかっています。特にα波が多く発生するのはグァテマラやブルーマウンテンで、深煎りのコーヒーの方がリラックス効果が高いという実験結果もあります。
ダイエット中はついイライラしてしまいがちですが、イライラは自律神経を乱し肌荒れや心身の様々なトラブルを引き起こしてしまいます。コーヒーの香りでリラックスして、イライラを撃退しましょう。
ただし、既にご紹介した通りクロロゲン酸は熱に弱いという性質があるので、クロロゲン酸の作用を活用したダイエットに深煎りコーヒーは不向きです。普段はダイエット効果の高い浅煎りコーヒー、ストレスが溜まっていると感じるときは深煎りコーヒーと用途に応じて使い分けるのがおすすめです。
ダイエットに効果的なコーヒーの飲み方
コーヒーがダイエットに効果的である理由はわかっていただけたかと思いますが、手当たり次第に飲むだけではご紹介したダイエット効果を十分に得ることはできません。
コーヒーは、次の4つの点を意識して飲むようにしてください。
1.インスタントよりドリップコーヒー
コーヒーダイエットの肝は、カフェインとクロロゲン酸です。
しかし、一般的な缶コーヒーやインスタントコーヒーはドリップコーヒーと比較してカフェインやクロロゲン酸の含有量が少なく、期待通りの効果が得られない可能性があります。
ゆっくりコーヒーを淹れる時間がないとき以外は、できるだけドリップコーヒーを飲むようにしましょう。
また、コーヒー豆はよりクロロゲン酸含有量の多くダイエット効果の高い浅煎りや低温焙煎のものがおすすめです。
2.アイスコーヒーよりホットコーヒー
ダイエット目的でコーヒーを飲むのであれば、アイスコーヒーよりホットコーヒーがおすすめです。
ホットコーヒーなら身体を内側から温め、代謝の向上に効果があるだけではありません。カフェインやクロロゲン酸の吸収の効率も上げることが出来ます。
ただし、熱湯でコーヒーを淹れるとクロロゲン酸が破壊されてしまうため、80度程度のお湯で淹れるようにしましょう。
3.砂糖・ミルク入りよりブラックコーヒー
コーヒーに砂糖やミルクを入れるとその分高カロリーになってしまいますし、カフェインのはたらきが低下してしまうこともわかっています。
コーヒーはブラックで飲むことを基本とし、ブラックはどうしても苦手という場合は、ミルクではなく豆乳を使ったり、砂糖やミルクの量を最低限に抑えるなどして工夫しましょう。
4.飲むタイミングは食前より食後
コーヒーの持つダイエット効果は、脂肪の蓄積を防止し、既に蓄積されている脂肪を分解・燃焼させるはたらきがメインです。そのため、コーヒーは食べたものが消化されはじめるタイミングがベストです。
また、カフェインは摂取から20分後にはたらきはじめ、その後約3時間はたらき続けます。カフェインのはたらきで脂肪の燃焼も促進されていますので、食後には散歩や軽い運動を行うと良いでしょう。また運動や入浴の30分程前にコーヒーを飲んでおくのも良いですね。
気をつけたいこと
ダイエットに非常に効果的なコーヒーですが、飲み方を間違えると効果が得られないばかりか身体に悪影響が出てしまう恐れもあります。次の5つの点に注意してコーヒーを取り入れてください。
1.貧血気味の人は食後すぐにコーヒーを飲まない
ダイエット目的なら、コーヒーは食後に飲むのが効果的と説明しましたが、貧血気味の方に限っては食後30分はコーヒーを飲むのを控えましょう。コーヒーには鉄分の吸収を阻害するタンニンという成分があるため、貧血を悪化させてしまう恐れがあります。
2.空腹時にコーヒーを飲まない
よく「コーヒーを飲み過ぎると胃が荒れる」と言いますが、これはクロロゲン酸のはたらきによるものです。クロロゲン酸には胃酸の分泌を促すはたらきがあります。空腹時にコーヒーが胃の中に入ると、空っぽの胃に胃酸がどんどん分泌され、胃が荒れる原因になってしまいます。
3.飲み過ぎは毒
いくらダイエットに効果があるからといって、ガブガブ飲んではいけません。
コーヒー1杯に含まれるカフェインは、およそ150mlです。カフェイン摂取量の上限は1日あたり300~350mlとされており、2~3杯も飲めば上限に達してしまいます。
カフェインを過剰摂取すると、イライラや不安、頭痛や耳鳴りなど精神的にも身体的にも異常があらわれる恐れがあり、最悪の場合命に関わることもあります。
何事もほどほどが一番と肝に銘じ、飲み過ぎに注意しましょう。毎食後、または朝昼の食後にコーヒーを飲めば、もう十分です。
4.口臭に注意
「コーヒーに含まれるコーヒー豆の微粒子が舌に引っかかって残ってしまうから」「口の中が酸性になるから」など諸説ありますが、コーヒーを飲んだ後は口臭が強くなりがちです。
特に仕事中や人と会う予定のあるときは、口をすすいだり、舌磨きをしたり、ガムを噛むなどして口臭ケアを忘れないようにしましょう。
5.寝る前にコーヒーを飲まない
コーヒーには覚醒作用があるため、寝る前に飲むと寝付きが悪くなってしまいます。ダイエットのためにも健康的な心身を保つためにも質の高い睡眠は必須です。
睡眠が不足した場合、睡眠で回復できなかったエネルギーを補うために食欲が増進してしまうので、逆に太ってしまう恐れもあります。コーヒーは日中に飲むものと心得ましょう。
飲み方のポイントを抑えて、コーヒーダイエットを成功させよう
いかがでしたか?
自宅でなくても自動販売機やコーヒーショップで手軽に飲むことができるコーヒー。だからこそダイエットのためには飲む量やタイミング、種類をきちんと意識することが大切なんですね。それができていないと、ダイエット効果が得られないだけでなく、心身に様々な不調が引き起こされてしまう恐れもあります。
飲み方や注意点をしっかり意識して、コーヒーの持つダイエット効果を120%引き出しましょう。