ガーデニングやレジャー、子どもとの外遊びなどで植物と触れ合う機会がある人は毛虫を見る機会があるのではないでしょうか。
毛虫は見た目が気持ち悪いだけでなく、刺されると強い痒みや痛みが伴う虫としても知られています。もし、毛虫に刺されてしまったら、どうしたらよいのでしょうか。
外で活動する機会が多い人は知っておきたい毛虫に刺されたときの対処法についてご紹介いたします。
目次
毒針を持つ毛虫の種類
毛虫とはチョウやガの幼虫のうち、毛が目立つもののことです。現在、日本には約5,000種類のチョウやガが存在し、このうち毛虫は20%程度の1,000種類ほどであると考えられています。
毛虫と聞くと虫刺されを思い浮かべる人が多いですが、ほとんどの毛虫は人にとって悪影響ではありません。毛虫の中で人間を刺すのは2%程度だと考えられており、毛虫を怖がり過ぎる必要はないのです。
しかし、一部の毛虫は針で人間を刺し、強烈な痛みや痒みを引き起こします。ガーデニングや外遊びの機会が多い人は危険な毛虫の種類を把握して、身を守りましょう。
人間を刺す毛虫のうち、特に被害が多いのは次の5種類です。
ドクガ
ドクガは日本全国の桜、梅、バラ、柿などに生息する茶色い毛虫です。体長は2.5~4.0㎝程度で毒針の数が600万本にも及びます。
活動期間は初夏から夏にかけてで、特に梅雨明け頃は注意が必要です。
イラガ
イラガも日本全国の柿や桜、梅、アンズなどに生息する毛虫で、黄緑色をしています。体長は2.5㎝ほどと小さめですが、刺されると強い痛みを伴うことが特徴です。
イラガの活動期間は夏から秋にかけてで、年に1~2回発生します。
マツカレハ
マツカレハは体長7.5㎝程度の大き目の毛虫で、色は黒や銀です。マツに生息し、刺されると激痛を伴ったり、腫れあがったりします。
活動期間は春から秋で、冬は落ち葉の下などで寒さをしのいでいます。
ウメスカシロクバ
ウメスカシクロバは梅や桃に生息する体長1.8㎝程度の小さめの毛虫です。頭が黒、体が紫で白っぽい毛があり、触ると痛いです。
主な活動期間は5~6月ごろですが、秋に見られることもあります。
チャドクガ
チャドクガはツバキやサザンカに生息する黄褐色の毛虫です。体長は2.5㎝ほどで、刺されるとひりひりとした痛みが2~3週間続きます。
年に2回、5月と8~9月に発生するため、初夏から秋は刺されないように注意が必要です。
毛虫に刺された時にやってはいけないこと
毛虫に刺されると、焦ってどうしたらよいのか戸惑ってしまいます。しかし、間違った対応をすると症状が悪化したり、他の人も被害にあったりする可能性があります。
毛虫に刺されても、2つのことはやらないように注意しましょう。
患部をこする
毛虫に刺されると数時間たってから、かゆみや痛みが現れます。そのため、かゆみや痛みで被害に気付き、どうにかしようと肌をこすってしまう人は多いです。
しかし、刺された場所をこすると、毒針が肌の奥に入りこんでしまう可能性があります。針を取り除けなくなると、かゆみや痛みはひどくなるので、絶対に患部は触らないようにしましょう。
特に子供はこすってしまうことが多いので、お母さんやお父さんは注意してください。
服を他のものと一緒に洗濯する
毛虫に刺された後、服を着替える時に他のものと一緒に洗濯するのも避けたいです。毛虫の針が服についていれば、その針が他の服に移り、家族が毒針の被害を受ける可能性があります。
毛虫に刺された服はガムテープなどで毒針を取り除いてから、それだけで洗濯しましょう。
毛虫に刺された時の正しい対処法
毛虫に刺されたときは適切に対処することで痛みや痒みを軽減できます。刺されたことに気づいたら、6つの対処法を試してみましょう。
針を抜く
毛虫に刺されたときはまず、毒針を抜きましょう。指でむやみに抜こうとすると、針がさらに奥に入り込んでしまうことがあるので、ピンセットを使うことをおすすめします。
ピンセットで抜くのが難しいときは、何度かに分けてセロハンテープやガムテープで刺された箇所を押さえると良いでしょう。テープを使うと目に見えない細かい毒針も取り除けます。
患部を洗う
テープで毒針を取り除いたら、次は患部を洗い流します。
まずは流水で肌に残った細かな毒針を取り除き、次に石けんを使って丁寧に洗いましょう。肌を傷つけてしまわないように、石けんはしっかりと泡立てて使用してください。
患部を冷やす
痒みや痛みが出て、炎症がひどいときは患部を冷やすと症状が治まります。刺された箇所を氷などで覆うと徐々に腫れも軽減するでしょう。
薬を塗る
冷やしても痒みや痛みが引かない場合は市販の薬を使いましょう。どのような薬を使えば良いのか迷ったら、薬剤師に相談してみることをおすすめします。
服を脱ぐ
毛虫に刺されたら、毒針が衣服に付着している可能性があるので、着ていた服は洗濯しましょう。洗濯する前にガムテープで毒針を取っておくとさらに良いです。
ひどい場合は病院へ
毛虫に刺された後の痒みや痛みは通常、時間が経過するとともに治まってきます。しかし、強いアレルギー反応が出ている場合や市販の薬で症状が改善しない場合は皮膚科を受診しましょう。
処方薬を使うと症状が早く改善する可能性があります。
毛虫に刺されないためには予防も大切
対処法を知っていても、できれば毛虫に刺されたくありません。毛虫に刺されないためには予防が大切です。
木がたくさん植えられている公園に行ったり、山で遊んだりするときは肌を露出しない長袖と長ズボンを着用し、毛虫を見つけたら絶対に近寄らないようにしましょう。
毛虫がいる場所に行ったら、刺されたと自覚していなくても、服を着替えることも大切です。