女性の悩みで多いのが便秘ですが便秘の時は肌に吹き出物ができたり、乾燥したりトラブルに見舞われていないでしょうか。便秘がなぜ肌荒れを招くのか、メカニズムと便秘を解消するための方法をご紹介します。
目次
便の正体は「老廃物」
便秘は便が排出されずに体の中にとどまっている状態ですが、一体その便の正体は何でしょうか。人間は生きていくために毎日食事を摂りますが、口から入った食べ物は胃腸より栄養を吸収し、最後に老廃物となって体の外に排出します。この老廃物こそが便の正体です。つまり便秘は体に不要な老廃物を体の中にためこんでいる状態なのです。
便秘が肌荒れを起こすメカニズム
たまった便は腐敗していく
便秘が続き体の外に出ず体内に残ったままの便は、腸の中で善玉菌をエサにどんどん発酵し腐敗を続けます。便秘の時は嫌な臭いのおならが出ますが、これは腸の中で便が発酵、腐敗している臭いです。
腐敗した便の毒素が要因
発酵して腐敗し続ける便の毒素は腸から血液へと運ばれます。そしてその毒素は汗と一緒に気孔から体の外へ排出されるため、肌に負担をかけることに。毒素を排出し続けていると、肌を美しく保つための本来の機能が低下し、肌荒れとなって表れます。新陳代謝ができなくなった肌は、皮脂や汚れがどんどん詰まり、ひどい肌荒れを引き起こしてしまうのです。
自律神経が原因のことも
心配事や気になることがあるとお腹が痛くなったり、下痢をしたりということがあります。これは自律神経が腸に関わりがあるからです。自律神経の乱れにより免疫が低下し、新陳代謝が活発に行えず腸内環境を悪化することにより、辛い便秘や肌荒れを引き起こすことになります。
便秘を解消する方法
便秘が慢性化するとそれだけでとても辛く、肌は荒れ放題になります。排便を促すための便秘解消法をご紹介します。
1.便秘に効果的な食べ物を摂りいれる
乳酸菌・ビフィズス菌
乳酸菌やビフィズス菌は腸内の環境を整える善玉菌として知られています。腸壁を動かすことで腸内の活動を活発にして便を外に押し出してくれます。ヨーグルトやチーズ、発酵食品の漬物、味噌汁などを意識して食べるようにしてください。
食物繊維
食物繊維も便秘解消効果があることがよく知られています。水溶性食物繊維のこんにゃくや納豆、寒天、きのこ、不溶性食物繊維のごぼう、ブロッコリー、玄米やイモ類などがおすすめです。
オリゴ糖
乳酸菌やビフィズス菌のエサになるオリゴ糖も積極的に摂りいれましょう。オリゴ糖が摂れる食品としては、大豆製品、キャベツ、たまねぎ、アスパラガスなどがあります。普通のお砂糖よりもカロリーが低いためダイエット中の方にもおすすめです。
2.効果的に水分を摂る
水分不足は便秘をより悪化させる原因となります。人間には1日に1〜2Lの水が必要と言われていますが、それだけの水分を摂れている人は少ないようです。便秘解消を導く効果的な水の飲み方を覚えてください。
水分をこまめに摂る
一度に水分をたくさん摂っても便秘解消にはつながりません。一度に飲んでしまうと汗や尿として使われ排出されてしまうので、水分は1日何回かに分けてこまめに摂る方が効果的です。外出時も水筒やボトルにお茶や水を入れて持ち歩く習慣をつけましょう。
朝は目覚めたらすぐに水を飲む
寝ている間に人はたくさんの汗をかいて体の水分量はかなり奪われています。寝起きすぐにコップ1杯の水を飲むことでしっかり水分が補給され、胃腸が動き出すので便の排出を促します。胃に負担をかけないために、できれば常温かぬるめの水にしてください。
不溶性食物繊維を摂るときは水を多めに
先にご説明したごぼうなどの不溶性食物繊維は水を含むことで膨らむので、一緒に多めの水を摂ると効果的です。十分に膨らんだ食物繊維がたまった便を押し流してくれます。
3.つま先で立つ
便秘解消に良いと言われるのが簡単にできるつま先立ち。足のふくらはぎは流れてきた血液、リンパを上に押し上げる役割をしています。つま先立ちをすることでふくらはぎを使い刺激すると、血のめぐりがよくなり、代謝が活発になるので腸も順調に動き出します。
背中は丸めず姿勢を正したら、下腹部に力を入れてつま先を立てます。そのままの状態を5分間保つだけ。5分続けるのが難しい場合は、イスや机に手をかけたり、時間を減らして続けてください。
4.便秘に効くツボを押す
血の流れをスムーズにして、腸などの内臓を刺激する効果的なツボを試してみましょう。どのツボ押しも息を少しずつ吐きながらツボを押してそのままキープ、その後息を吸いながら指を離してください。
合谷(ごうこく)
親指と人差し指の間のいわゆる水かきと呼ばれる部分。反対の手の親指と人差し指で挟んでぐりぐりともみほぐします。ストレスからくる便秘に良いと言われています。このツボ押しは外出先や仕事の合間にもおすすめです。
三陰交(さんいんこう)
足の内側のくるぶしの骨の上(指幅の4本分)にあります。親指をツボに当てて左右に動かしながらツボ押しします。胃腸の回復、生理痛にも効果的です。
天枢(てんすう)
おへそから外側(指幅の3本分)、左右にあるツボ。左右を一緒に人差し指、中指、薬指をそろえた状態でお腹を押しながら刺激します。即効性があると言われているのでツボ押しをしているうちに便意をもよおすことがあるかもしれません。
便秘点(べんぴてん)
背中にあるツボで、肋骨の一番下よりさらに指幅の2本分下あたりで、背骨から外側(指幅の4本分)にあります。ウエストのくびれに両手をおき、親指を使ってツボを押しつつ、くびれを左右に動かします。便秘以外にも腰痛に効果があるとされています。
便秘は長びくと苦しいだけでなく、肌荒れの大きな原因となります。また便が排出されないと毒素が体の中にたまった状態を作り出します。水分をこまめに摂ったり、ツボ押しの実践、食事や生活習慣を改善するなどして辛い便秘からくる肌荒れを早く治しましょう。