結露を放置すると起こる4つの悲劇と簡単にできる5つの対策

結露を放置すると起こる4つの悲劇と簡単にできる5つの対策
冬の朝など窓にびっしりとつく結露。特に気温が下がるとできやすく、ひどい時には雑巾を何枚使っても取り切れないほどの水気に毎日悩まされることもあります。そんな結露は、放置するとさまざまな悪影響を及ぼします。そこで今回は、結露ができる原因と共に、その悪影響や、結露を防ぐためにできる対策を詳しくご紹介します。


結露が発生する原因

結露には、夏に発生するものと冬に発生するものとがあり、どちらも温度差でより冷えた場所にできるのが特徴です。夏に冷たい飲み物を入れたグラスにつく水滴や、ラーメンを食べた時にめがねが曇る、こういった現象も結露の一つです。

空気中には水分が水蒸気の状態で含まれていますが、気温が高いほどより多くの水蒸気が空気に含まれます。しかし今度は気温が下がると、その水蒸気は居場所をなくしてしまい、水蒸気として保持できなくなり、水滴となります。これが結露で、この結露が発生し始める温度のことを露点温度といいます。この温度は露点温度計で測定することが可能となっています。

例えば室温が同じ20度であっても、湿度が80%ある時と30%ある時では、露点温度に違いがあります。そのため、湿度が高い時期に部屋を冷やすと、外気温との温度差が少しであっても結露ができます。逆に冬のように湿度が低い時には、かなり外が冷え、同時に室内の温度を高くした場合に結露ができるということになります。

そうはいっても、湿度が低ければ結露はできにくくなりますが、逆に乾燥しすぎるとウイルスが繁殖しやすい環境となり、ほこりが舞い上がることからハウスダストが発生しやすい環境になってしまいます。

結露ができやすい条件としては、温度差を作りやすい住環境にも原因があります。

結露ができやすい家の条件

換気をあまりしない

外気温と室温の差がなくならないため、結露ができやすくなります。

湿度が高い

洗濯物の部屋干しが多い、鍋料理をよくする、といったことに加え、乾燥防止の加湿器の使用や、石油ストーブなど開放型の暖房器具を使うと、水分が放出されて湿度が上がりやすくなるため、結露ができる環境となります。

24時間換気をしていない

高断熱、高気密の住宅では、24時間換気が必要です。平成15年の7月以降に建てられた一軒家やマンションは、24時間換気システムの設置が義務となっていますが、電気代の節約のためといって切ってしまうと、結露の原因となります。

また寝る前まで暖房をつけて、寝る時に暖房を切るという習慣も、結露につながります。暖房を止めることで、外気に触れている窓などが急激に冷えていくので結露ができてしまうのです。

結露を放置すると起こる4つの悲劇と簡単にできる5つの対策

結露の放置で起こる悲劇

結露の拭き取りが面倒と放置していると、さまざまな悲劇が起こります。

1.カビ

結露が発生しやすい温度と湿度は、カビにとっては最高の繁殖条件となります。さらに結露に空気中に漂っているゴミやほこりがつき、カビのエサを提供することになってしまいます。カビの胞子を吸うと、アレルギーの原因となるだけでなく、風邪のような症状から、肺炎を引き起こすことがあります。高齢者や幼児の場合は、死に関わる可能性もあります。

2.ダニ

ダニは室温、湿度の高い環境を好み、布団などに住み着いて繁殖します。ダニは人間のフケや皮脂、食べ物のカスなどを栄養にしていて、カビとは違い移動ができるのでやっかいです。ダニに噛まれると、蚊に刺された以上のかゆみが長期間続くほか、死骸を吸い込むことで、アレルギーや喘息の症状を引き起こします。

3.家の腐食

表面的な被害としては、壁紙などのクロスに水ジミができたり、剥がれたりといったことが上げられます。それだけでなく壁の中まで水分が浸食すると、断熱材ごと取り替える必要が出るだけでなく、木部にまで浸食すると家自体が危険な状態になりかねません。常に家の中がカビ臭い、また常に菌がいる状態なので、家族全員が風邪を引きやすくなるといったことも起こります。

4.電気系統のトラブル

壁の中には電気系統の電線などが配線されているため、結露がひどくなるとそこから漏電が発生し、火災につながる可能性もあります。

このように結露は私たちの体にも、そして家にも甚大な被害と悲劇をもたらしてしまうのです。

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簡単にできる結露対策

結露対策をしたいけれど、家中の窓に対策をするとなると、費用も心配です。今回は簡単にでき、お金もかからない対策方法をご紹介します。

1.換気をまめにおこなう

締め切った状態だと、水蒸気が部屋の中にこもりやすくなります。換気をして部屋の空気を動かすようにしましょう。換気扇を回すほか、締め切っている押し入れなど収納場所なども扉を開けるようにします。

2、湿度を高めるものを部屋の中に置かない

水槽や植木鉢など、水蒸気を発生させるものは、なるべく部屋の中に置かないようにするか、置くとしても窓際以外の場所にしましょう。

3.室温に注意する

冬の暖房、夏の冷房で部屋を暖めすぎ、冷やしすぎるのも結露を発生させる原因となるので、外気温との差は5度程度がおすすめです。また湿度は50%を目安に設定しましょう。

4.窓に新聞紙やシートを貼る

窓に新聞紙や、緩衝材のシートを貼るのも効果的です。新聞紙は結露ができやすい下半分だけに貼り、窓ガラスを拭くのに使うとインクの効果できれいになります。

5.暖房器具を変える

石油ストーブやファンヒーターなどは、水分を発生させますので、使わないようにしましょう。電気ストーブやパネルヒーター、もしくはエアコンを使うようにしましょう。

また加湿器を使いすぎることも湿度を上げてしまいますので、湿度を調整しながら使うようにしましょう。

結露を放置すると起こる4つの悲劇と簡単にできる5つの対策

新築やリフォームの機会にできる結露対策

結露対策を徹底的にしたい場合、新築やリフォームに合わせ、お金をある程度かける方法もあります。

ペアガラスにする

断熱効果があるので、家の窓を変えるだけで効果があります。

二重サッシにする

サッシを二重にすることで、断熱効果が上がります。雪の多い寒冷地の住宅などでもよく使われています。

カーテンを変える

通常カーテンは二重にしますが、これも窓と部屋の温度差を作り出し、結露の原因となります。遮光性のあるミラーレースカーテンに変えるのも効果的です。

結露は普段の生活からでも予防ができますので、結露ができないよう工夫をするようにしましょう。

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