あなたはぎっくり腰になった経験はありますか?
ぎっくり腰の痛みは、海外では「魔女の一撃」と呼ばれることもあるほど。ぎっくり腰を患ったことのある方はきっと「二度となりたくない」と思われていることでしょう。
しかし、クセになると何度も再発してしまうのがぎっくり腰です。
そこで、立つのも座るのも寝るのも辛いぎっくり腰を繰り返さないために、ぎっくり腰を繰り返してしまう理由やぎっくり腰を繰り返すくせの治し方をご紹介します。
ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰は、医学的には「急性腰痛症」や「椎間捻挫」とも呼ばれ、重いものを持ち上げようとしたり、体をひねったりといった日常の何気ない動作で腰に激痛が走り、痛みのあまり動くことさえできなくなってしまうものです。
原因については、慢性的、または急激な負担が腰にかかることで筋肉や関節を痛めたり、腰の骨と骨の間でクッションのようなはたらきをしている脊椎板が変形・損傷したりといったことが考えられますが、実はまだハッキリしたことはわかっていません。
痛みが強い時期は歩くこともできないくらいの激痛に襲われますが、安静にしていれば徐々に回復していきます。しかし、痛みが長引いたり、痛みから体をかばって動いているうちに姿勢が固まってしまうこともあり、同じ部分を何度も痛めて腰痛が酷くなったりぎっくり腰を繰り返してしまう方もいます。
ぎっくり腰を繰り返す理由
ぎっくり腰を繰り返してしまう理由としては、次の3つのものが考えられます。
1.同じ部分にばかり負担がかかっている
家事や仕事、スポーツ、生活習慣などで体の同じ部分にばかり負担が掛かっていると、その部位に疲労が蓄積されてぎっくり腰を引き起こす原因になります。
2.腰をかばい過ぎている
一度ぎっくり腰を経験したことで、再発への不安から腰をかばいながら動くようになったり、ゴルフなど腰をひねるような運動を避けたりすることで、体に不自然な動きをさせてしまったり運動不足で筋肉が固まってしまうことがあります。
腰をかばう動作を続けていると体の同じ部分にばかり負担を強いることになりますし、筋肉が固まると動きが悪くなり、筋肉を動かした瞬間にぎっくり腰を発生させる恐れがあります。
3.精神的なストレス
実は、ストレスもぎっくり腰との関係がないわけではありません。
精神的なストレスを受けると筋肉が緊張して固くなってしまうことが知られています。また、腰回りの筋肉のはたらきが悪くなるとも言われており、ぎっくり腰の原因となってしまいます。
ぎっくり腰を繰り返すくせの治し方
ぎっくり腰は安静にすることで1週間程度で痛みがなくなるため、「治った」と判断してしまいがちです。確かに一番の問題であった痛み自体はなくなっていますが、ぎっくり腰の原因となった骨盤の歪みや筋肉の疲労、緊張がなくなったわけではありません。
根本的な原因を解決しなければ、一旦痛みがなくなっても、またふとした瞬間にぎっくり腰が再発してしまうんです。繰り返しを防ぐためには、原因を取り除くことが大切なんですね。
具体的には、姿勢や骨盤の歪みを正すこと、筋肉を柔軟に保つことを意識しましょう。特に、筋肉の柔軟性は重要です。
筋肉が柔軟であるということは、それだけ動きが良いということですので、重いものを持ち上げたり激しい運動をしたときの筋肉への負担を軽減することができます。
ただし、普段運動する習慣がない人が、いきなり筋トレや激しいエクササイズを始めるのはまったくの逆効果で、それこそぎっくり腰の元です。ラジオ体操を行うなど、普段の生活の中に無理のない範囲で適度な運動を取り入れるようにしましょう。
骨盤の歪みについては、自宅で骨盤矯正ストレッチをしても良いですが、長年のクセが染み付いた結果である骨の歪みは簡単には治りませんので、整骨院や整体院などで整えてもらうのがおすすめです。
施術してくれるのは骨と筋肉のプロなので、自分に合った筋肉の鍛え方や骨盤を歪ませないために日常生活で気をつけるべきことなど、ぎっくり腰を再発させないだけでなく健康的な生活を送るためのアドバイスをもらうこともできますよ。
こんなときは病院へ
腰に負担が掛かることで発生するぎっくり腰ですが、根本的な原因を取り除かなければ何度でも再発してしまいます。適度な運動を習慣にして筋肉の柔軟性を高めたり、骨盤や姿勢の歪みを正したり、上手にストレスを解消できるようにして、ぎっくり腰を再発しにくい体を作っていきましょう。
また、ぎっくり腰は椎間板ヘルニアをはじめとした脊椎や内蔵の病気が原因で引き起こされることがあります。もしただ腰に激痛が走るだけでなく、発熱や痺れといった症状もある場合は、ほかの病気が原因である恐れがありますので整形外科など専門医を受診するようにしてください。