ハクビシンという小動物を知っていますか?畑を荒らす中型の害獣として有名な動物で、畑だけでなく住宅に住み着いて家屋にダメージを与えることもしばしば見受けられます。なんと、近年は都会に住み着くこともあるようです。
そこで今回は、ハクビシンに住み着かれたらどんな被害があるのか、ハクビシンの撃退法、ハクビシンの侵入を防ぐ方法など、ハクビシン対策についてご紹介いたします。
目次
ハクビシンとは?
ハクビシンは、漢字で「白鼻芯」と書きます。鼻に白い線がある見た目から、この名がついたようです。
じつは外来種説と在来種説があります。外来種説で有力なのが、明治以降に毛皮用に東南アジアから輸入してそのまま野生化して住み着いた説です。しかしはっきりとした証明がされていないため、アライグマの様に特定外来生物の指定を受けていません。
外見は狸に似ています。頭からシッポまでが約1mで、体重が2〜3kg程度です。指が5本あるのが特徴で、足跡からハクビシンが推定できます。
ハクビシンの住処
ハクビシンは雑食で、昆虫、食物、動物など何でも食べます。そのため人間の住む地域でも暮らすことができるのです。
畑に出没して農作物を食べてしまう害獣として認識されていましたが、近年では家の屋根裏などに住み着いて家屋に被害を与えるケースが増えています。
ハクビシンは糞尿を溜めて一気に排泄する習慣があります。そのため屋根裏に住み着かれるとそこで大量の糞尿を排泄し、それが悪臭や害虫の発生源となります。また糞尿の排泄が続いて、天井裏が腐食する被害も報告されています。
ハクビシンは1年中繁殖が可能です。出産は1年に1度で、1度に産む数は2,3頭とそんなに多くありませんが、妊娠期間がわずか2か月で、寿命が約10年と長生きです。そのため確実に数が増えていき、排泄物も大量になります。家屋に住み着くハクビシンを放っておくと、衛生面や家の強度といった、生活環境が悪化してしまいます。
どこから家の中へ侵入するの?
ネズミほど小さくないハクビシン。そんな中型の害獣が家の中に入って来るなんて、想像しがたいですね。
ハクビシンの体長は、先ほどもお伝えしたように頭からしっぽまでが約1mです。とても隙間から家屋の入れるとは考えにくいですが、実際は頭が通ればハクビシンは侵入してしまえるのです。頭の大きさは大人の握りこぶし程度で、その大きさの隙間があれば、侵入は可能なのです。
握りこぶしほどの大きさの隙間は、劣化によって外壁に空いた穴や、通風孔、また増築している場合はそのつなぎ目にできることが多いです。通気口の穴に金網が張ってある場合は、丈夫な歯で噛み切って穴を開けてしまうこともあります。
ハクビシンは夜行性です。暗くなってから人が気付かない間に、そういったわずかな隙間から家の中に侵入し、屋根裏に住み着いてしまいます。そして一度寝床と決めてしまうと、住み着いてしまう習性があります。
もし屋根裏で、ネズミよりも大きな動物がどたどたと走っている気配がしたら、それはハクビシンかもしれません。住み着いてしまうと、もう一般人には手を出すことは難しいです。
住み着いてしまった時の対応をご紹介します。
ハクビシン駆除は業者に頼もう
住み着いてしまったハクビシン、何とか退治したくなりますね。しかし、それは法律で許されていません。ハクビシンは「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)」の対象動物となっており、一般人が個人で捕まえることができないのです。
法律だけでなく、ハクビシンのような野生の動物に噛まれたり引っかかれると感染症にかかる恐れがあります。必ずプロにお任せするようにしてください。
駆除業者に頼む
ハクビシンの捕獲は業者にお願いしましょう。
気になる相場は家の広さにもよりますが、5万円から15万円程度です。少なくとも3社から見積もりを取る事をお勧めします。
多くの業者は捕獲だけでなく、掃除や消毒作業もしてくれます。糞尿で屋根裏などが不衛生になっているので、そのようなサービスが受けられるか見積もりの段階で確認してください。
自治体に頼む
お住まいの地自体によってはハクビシンをワナで捕まえてくれるサービスがあります。捕まえるだけでなく費用も負担してくれる自治体も多いようなので、一度問い合わせてみるのもいいかもしれませんね。
お願いするのを躊躇している間にハクビシンは家の中で排泄や繁殖を繰り返して、大切な家屋に取り返しのつかないダメージを与えてしまいます。早めの依頼をお勧めします。
侵入を防ぐことが大切
住み着いてしまったハクビシンの対処はプロにお任せするしかないですが、個人でもハクビシン対策としてできることはもちろんあります。それが、ハクビシンを家の中に侵入させないことです。
穴をふさぐ
一番基本になるのが、家の中に入る隙間を作らないことです。家の外壁の隅々を調べて、穴を見つけたらとにかくふさぎましょう。床下などの換気が必要な場所では細かい金網を設置し、さらに金網の間に金属たわしを詰めると侵入されにくいようです。
家の近くにエサになるものを置かない
ハクビシンは雑食とお伝えしましたが、好きな食べ物もあります。エサとして好むのが、甘い果物です。いただき物や収穫した果物を一時的にでも家の外に置いておくのは止めましょう。
また生ごみを出しっぱなしにしたり、ペットフードをお皿に入れたままにするのも危険です。ハクビシンは昼に寝て夜行動するので、特に夜間にハクビシンの食べそうなものは家の周りに置かないようにしましょう。
嫌いな臭いで近づけさせない
ニンニクや激辛の唐辛子の臭いをさせると、ハクビシンが嫌がります。
また、ハクビシン除けのための臭いアイテムは、お店で手に入れることができます。ハクビシンの天敵であるオオカミのおしっこの臭いのする「ウルフピー」や、蚊取り線香のような形をした辛い香りを出す「獣よけ線香」などです。ホームセンターや通信販売で手に入れることができるので、チェックしてください。
隠れる場所を作らない
動物であるハクビシンは、自分の身を守るために体を隠す習性があります。逆に、体を隠す場所がないと警戒をして近づかないので、ハクビシンを家に近づけないためには家の周りを手入して整えておくことが大切です。草木が茂っていたり、落ち葉が積もった状態は、ハクビシンの格好の隠れ場所になります。
家に飛び移れる場所を作らない
ジャンプの得意なハクビシン。なんと1mの幅は難なく飛び越えることができます。家の周りに飛び移れる場所、例えば高い庭木が屋根の近くにあれば、その枝から屋根に飛び移られてしまいます。自宅の庭にある木は手入れして、ハクビシンを家に近づけない工夫をして下さい。
ハクビシンから被害を受けないためには、とにかく侵入させないことが大切です!そのためにも家の外装に注意を払い、ハクビシンが寄り付きにくいように庭や玄関周りを整えましょう。