子供の夏風邪の代表、「ヘルパンギーナ」の原因と症状

子供の夏風邪の代表、「ヘルパンギーナ」の原因と症状
子供の病気はたくさんありますが、その中でも夏風邪の代表といえるのが「ヘルパンギーナ」です。お子様を持つ親御さんなら、もうご存じの方も多いでしょう。ですが、これから子育てが始まるママにとっては未知の病気です。

まずはこの病気について、どういった病気なのかをご紹介いたします。また、原因や主な症状、どうやって感染するのか、その経路や予防策なども併せてご紹介いたします。


「ヘルパンギーナ」とは?

先ほども書かせていただきましたが、乳幼児(特に1歳代)の間で、毎年6月から8月頃にかけて流行する代表的な夏風邪になります。ウィルス性の風邪になるのですが、その型は一つではありません。

多くの型があることから、ワンシーズンに何度もこの病気になるお子様もいらっしゃいます。また、お子様を介してママやパパに感染することも珍しくありません。

よく手足口病と同じと思われてる親御さんがいますが、全くの別物です。どちらの病気も発熱と水疱という症状ですが、ヘルパンギーナの場合、水疱は口の中だけになります。また、この病気の方が熱も高めの傾向があります。

ただ、どちらの病気も初期症状の段階で受診した場合、症状が良く似ていることから、どちらの病気であるのか判断は難しいです。ヘルパンギーナという診断でも、後日手足口病だったということはよくあります。

また、その逆もあるのでしっかりと経過を観察することが大切です。

子供の夏風邪の代表、「ヘルパンギーナ」の原因と症状

原因・症状・感染経路

原因

この病気の原因ウィルスは、エンテロウィルス属のコクサッキーウィルスという物に感染することで発症する病気です。ポリオウィルスの親戚のような感じと思っておいてください。

このコクサッキーウィルスは、A群とB群の二つに分類されており、この病気の原因ウィルスである「コクサッキーウィルス」はA群になります。

症状

この病気の主な症状としては、発熱と、口の中の水疱になります。

まず、39度を超える高熱から始まります。それが3日程度続くのと並行して、喉に赤く小さな水疱が出てきます。これも3日程度でつぶれ、黄色の潰瘍へと変化していきます。

水疱もあるので、喉にかなりの痛みを伴い、食べたり飲んだりすることがとても辛くなります。「飲みこむ」というのが辛く、水分も十分にとることができずに脱水症状となるケースもあります。

また、突然高熱になるので「熱性けいれん」を起こしたり、嘔吐するこがあるので、注意して下さい。

これらの症状は4日以内でおさまってくるのですが、「無菌性髄膜炎」や「急性心筋炎」という合併症を引き起こす可能性もあります。

・頭痛
・繰り返す嘔吐
・頸の後ろの痛み
・顔色が悪くなる
・元気がなくなる
・不機嫌になる

といった症状が見られた場合は、早めに病院を受診するようにしてください。

感染経路

この病気の感染経路は、

・飛沫感染(咳、くしゃみ)
・接触感染
・糞口感染(便から出たウィルスに口を介して感染すること)

になります。糞口感染での感染が非常に多く、免疫力が低下しているママやパパは注意が必要になります。

ママやパパが感染し、発症しなくてもウィルスを持っていることで、他の兄弟姉妹へと家庭内感染が広がってしまいます。この病気を発症して下痢をしている場合は、手洗い、マスク、手袋などをして、看病してあげるようにしましょう。

ウィルスに感染し発症するまでの潜伏期間は、3~6日程度になります。早ければ2~3日で発症します。

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予防するために

この病気を予防する為には、

・手洗い
・消毒
・うがい
・マスク

これらは基本です。それに加えて次のような対策をとってください。

体を冷やし過ぎない

夏場は、冷房や冷たい物で体を中からも外からも冷やしてしまいがちです。体が冷え過ぎると免疫力の低下を招きますので、気をつけてあげましょう。

除湿

冬場に猛威をふるうウィルスと違い、夏場のウィルスは「高温多湿」の場所が大好きです。子供は代謝もよく、夏場は寝汗もよくかきますので、寝具類でウィルスが繁殖する傾向があります。

寝具類はしっかりと乾燥させるよう心がけましょう。

タオルや食器類の共有はNG

接触感染の可能性もありますので、家族間でタオルや食器類の共有は控えて下さい。洗面所のタオルを使い捨ての「ペーパータオル」にかえるというのは非常に良い方法ですので、おすすめします。

子供の夏風邪の代表、「ヘルパンギーナ」の原因と症状

治療方法は?

この病気には、予防接種もなければ、特効薬というのもありません。発症すると、その症状にあった対処療法となります。

突然高熱が出て、飲食がしにくくなるので脱水症状になることが多いです。水分は、少しずつ何回にも分けてこまめに摂らせてあげて下さい。また食欲もなくなるので、喉越しのよいプリンやゼリーなどでカロリーをとれるようにサポートしてあげましょう。

特にこの病気は、小さいお子様にとっては非常につらい夏風邪となります。手足口病、プール熱と共に子供の「三大夏風邪」と言われており、毎年夏になるとたくさんのお子様が辛い症状に苦しめられます

夏場は暑さだけでも体力を消耗します。冷たい物ばかり摂らせないよう、しっかりと栄養バランスのとれた食事と、十分な睡眠をとらせてあげて下さい。それだけでも免疫力の低下を防ぐことができます。

大人でもつらい夏風邪。お子様の予防対策はしっかりとしてあげて下さいね。

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