自覚症状がないからこそ恐ろしい「早朝高血圧」の基礎知識

自覚症状がないからこそ恐ろしい「早朝高血圧」の基礎知識

命にかかわる重大な病気の原因のひとつである高血圧。現在は約3人に1人が高血圧だといわれているほど身近なものです。ところが高血圧は自覚症状を感じることはありませんから、生活習慣などを見直しが必要になるのです。そんな高血圧の中で「早朝高血圧」というのがあるのですが、こちらも自覚症状がなく、気がついたら大変なことになってしまうケースも多く注意が必要です。そこで今回はあまり知られていませんが、恐ろしい「早朝高血圧」についてご紹介しましょう。

「早朝高血圧」とは?

高血圧とひとまとめでいわれることが多いですが、実は高血圧はいくつかの種類に分けられます。

その中に「仮面高血圧」と呼ばれるものがありますが、これは病院で血圧を測っても正常ですが、自宅で測ると高くなるもので、この仮面高血圧はさらに2つに分類されます。

ひとつが高血圧治療を受けている方の半数に認められるもので早朝の血圧が高い「早朝高血圧」、もうひとつが夜間から早朝にかけての血圧が高く、高い状態が眠っている間も続く「夜間高血圧」です。

早朝高血圧は日中活動中の血圧は正常なことが多く、睡眠時に大きく下がり、起床する早朝に急激に血圧が上がります。早朝高血圧は、いろいろな高血圧の種類の中で最も危険なタイプです。

その理由は病院で診察するときには血圧が正常な数値に戻っているため、治療がうまくいっているように見えるので医者も本人も見逃してしまうことが多く、気がついたら命に係わる重大な病気を発症する可能性が高いためです。

特に午前6〜9時頃までが最も血圧が高くなる時間帯なので注意しましょう。

早朝高血圧を含めた仮面高血圧は、脳血管障害や心筋梗塞を発症する危険性が最も高くなります。

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早朝高血圧チェック

高血圧の治療を受けている方、そうでない方も早朝高血圧は自覚症状がないので、自分では気づきません。一度チェックしてみましょう。

早朝高血圧かどうかをチェックする方法は簡単で、朝起きたらすぐに血圧を測ることでわかります。

血圧が上が135以上か下が85以上なら、早朝高血圧の疑いましょう。

早朝高血圧の特徴は日中活動時の血圧が正常なことが多いので、実際に起床時に血圧を測ることが大切なのです。

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早朝高血圧の原因となるもの

では、いったい何が早朝高血圧の原因になるのでしょうか。

血圧は一日の中で上がったり下がったりと変動を繰り返しています。血圧を変動させるのは自律神経の役割です。

血圧が高くなると血管を拡張する物質が内皮細胞から分泌され、血圧が高くなり過ぎないようコントロールされているのですが、このコントロールする機能が低下することによって、早朝の血圧上昇がうまく抑制できなくなるのです。

この機能が低下する原因は動脈硬化です。動脈硬化によって内皮細胞が傷つき、うまくコントロールすることができなくなっているのです。

早朝高血圧の原因は他にもこれらが考えられます。

・朝の冷え込み
・ストレス
・高年齢
・アルコール
・血圧降下剤が効いている時間が短い
・睡眠時無呼吸症候群

病院で高血圧の治療中の方はもちろんですが、高血圧の自覚がない方も、朝の血圧を測ってみることをおすすめします。万が一、朝の血圧が高いようなら早急な対策が必要です。

動脈硬化の改善するには、血液をサラサラにする食べ物を積極的に食べるのがおすすめです。良質なたんぱく質や抗酸化作用の高い野菜などの摂取を意識しましょう。

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早朝の運動には悪化させる要因に

健康維持のため、朝起きてウォーキングやジョギングなどを行っているという方も多いでしょう。

ウォーキングやジョギングといった有酸素運動は健康や美容に効果があるのですが、早朝高血圧が疑われるのであれば、症状を悪化させる可能性があるので控えてください。

早朝の運動は、急激に血圧を上げることになるため、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まるのです。運動をするならできる限り時間をずらすか、負担にならないストレッチや体操などにとどめておきましょう。

早朝高血圧を予防するためには

高血圧の中でも恐ろしい早朝高血圧を予防するためには、病院で処方されている血圧降下剤を夜寝る前の服用に変更したり、長く効果が続く薬へ変更してもらうなど病院との連携が必要です。

朝起床後は、急に起き上がったり体を動かしたりせずに、まずは深呼吸をします。それからゆっくりと伸びをして血行を良くします。それから起きだすようにすることで、血圧を下げることができます。

そして朝起きがけにコップ一杯の水を飲みましょう。

夜は汗などで水分が奪われている状態なので血液がドロッとした状態です。

それだけではなく、朝は交感神経が優位になり「ノルアドレナリン」が分泌されます。このノルアドレナリンには血小板を活性化させて血が固まりやすくなるのです。

これが朝に心筋梗塞や脳卒中になりやすい原因です。

血液をスムーズに流すためにも、水分摂取が必要というわけです。

仮面高血圧に分類される早朝高血圧は自覚症状がないので、気づかずに放置すると命の危険にかかわることもあります。日ごろから血圧が気になっている方はもちろん、そうでない方も血圧計を購入して、自分の血圧を知ることから始めてみることをおすすめします。

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