体から発する臭いはたくさんあります。中でも日常的に生理現象として発せられるのが「げっぷ」です。げっぷの臭いは人それぞれで、様々な臭いがあります。その臭いで今の健康状態を知ることができます。
たくさんあるげっぷの臭いは、その原因も様々です。臭いの原因を、「病気ではないもの」「内臓系の病気」「歯や口腔内の病気」それぞれに分けて詳しくご紹介いたします。
目次
なぜげっぷが出るのか
普段何気なく出る「げっぷ」ですが、どうして出るのかご存知でしょうか?
食事をする時、食べ物だけでなく空気も一緒に体内に入ります。本来なら気道を通って肺へと送られます。ですが、食べ物と一緒に飲みこんだ時に、胃の方へも送られてしまいます。
何かを食べた時に一緒に入った空気が胃でたまって、食道から出ていく、それがげっぷなのです。胃に入った空気は体内に吸収されていきますが、吸収しきれずに溜まっていくと、胃から逆流して口からゲップとして出てしまうのです。
炭酸飲料を飲むとげっぷがよくでます。また、お薬を飲む時に上を向いて、多めのお水で飲んだりした時もよくでるはずです。これらは、一度にたくさんの空気が体内に入り、胃がそれに圧力をかけて押し戻そうとするからだったのです。
臭いの原因~病気ではないもの~
臭いのキツイ物を食べたから
にんにく料理や、ネギ類、焼き肉など、臭いのキツイ物を食べた後のげっぷはやはり臭います。臭いがキツイ物は、ゲップの臭いだけでなく、口臭や体臭の臭いの原因にもなってしまうので注意しましょう。
飲酒
ある程度の飲酒はいいのですが、深酒をしてしまった翌日のげっぷはかなり臭います。これは、アルコールによって、胃の中にある空気を取りこむ力が弱くなっているからです。
また、食事量も増えたり、楽しく会話しながらの飲酒や食事となるので、いつも以上にとりこむ空気の量が増えてしまうことも要因となります。
薬を飲んだ時
薬によっては、飲んだ後にその薬の成分の臭いがゲップをした時に出てくるという事もあります。
臭い原因~内臓系の病気~
げっぷの臭いが臭いと感じた時、それは内臓系の病気のサインであるかもしれないと疑いましょう。
胃がん
男女比率は、男性の方が多いです。この病気になってしまうと、胃壁がただれてしまいます。これによって、胃液の分泌がうまくいかなくなり消化不良をおこすので、げっぷの回数も増えてしまいます。
胃潰瘍
胃酸の過剰分泌によって、胃壁を守ってくれる粘液とのバランスが乱れてしまい、胃の粘膜が壊れてしまいます。胃酸がたくさんでてしまうので、げっぷは酸っぱい臭いがするという特徴があります。
十二指腸潰瘍
十二指腸の入り口の粘膜に傷がつくことで起こります。こちらの病気になった場合も、先ほどの胃潰瘍と同じく、げっぷの臭いはすっぱい臭いとなります。
逆流性食道炎
胃酸が逆流して、食道部分で炎症を起こします。こちらの病気も胃酸の特徴的なすっぱい刺激のある臭いがする、というのが特徴になります。
便秘
便秘になると、腸の中にガスがたくさんたまります。この現象によって腸が張ってしまい、胃からやってくる空気が渋滞状態になります。進めない空気は食道方向へと戻り、ゲップとなって出ていきます。
げっぷの臭いの原因が内臓系の病気である場合、酸っぱい臭いや、うんこ臭のような臭い(腐敗した卵の臭い)がすることがあります。あまりに臭いがするなら、内臓系の病気を疑い、早めに受診することをおすすめします。
臭いの原因~歯や口腔内の病気~
虫歯
虫歯が悪化し、歯根の外の歯肉に虫歯菌が感染することで、膿袋ができてしまいます。ここから膿がでていくのでその臭いがげっぷをした時に出てしまいます。
歯周病
最近患者数が増えているこの病気。歯肉が炎症を起こし膿がでます。この膿の臭いが原因となっていることがあります。非常に強い臭いですので、げっぷをした時の臭いで気分が悪くなることもあります。
舌苔
舌には食事をした後の食べカスや、死んだ細胞などが蓄積されやすい箇所です。細菌も繁殖しやすく、臭いを発し、げっぷの臭いも臭くなります。舌磨きをする方も増えているのですが、これがこの舌苔の要因ともなっています。
膿栓
別名「臭い玉」という名称もつけられていますので、臭いの元であるのはその名前からわかります。膿栓そのものが臭いを発するのではなく、それがつぶれてしまった時に非常に強い臭いが出てしまいます。
げっぷをした時に、膿栓がつぶれていると、その臭いがげっぷとともに放出され悪臭を放つのです。
げっぷは健康のバロメーター
げっぷの臭いにこれだけの原因があることに、驚かれる方も多いはずです。普段げっぷをして「くさっ」と思って笑っているあなた、それは大きな病気のサインかもしれません。
そういった意味では、げっぷは健康のバロメーターともいえます。げっぷの臭いもそうですが、げっぷが頻繁にでるようであれば、それも体の不調を示すサインだと考えましょう。
周りの方は、あまりこういった臭いに関することを直接言ってくれる事はありません。自分でおかしいな?と思ったら、できるだけ早めに病院を受診することをおすすめします。