スプラウトとは新芽のことをいい、成長する前の栄養が凝縮されていることから、美容や健康に効果があると注目されている野菜です。かいわれ大根やもやしといった野菜もスプラウトですが、なかでもブロッコリースプラウトは、栄養価がとても高く特別です。その美容効果の秘密について、詳しくご紹介します。
目次
ブロッコリースプラウトってどんな野菜?
ブロッコリースプラウトとは、ブロッコリーの種を発芽させた新芽のことをいいます。見た目はかいわれ大根にそっくりで、貧弱な印象を受けるかもしれませんが、スプラウトの中でも栄養価が高く、さらに成長したブロッコリーより栄養が凝縮されています。くせがないため、食べやすく、また豊富な栄養を含んでいることからも人気の高い野菜です。
ブロッコリースプラウトの栄養成分と効果
ブロッコリースプラウトには、ブロッコリーよりも豊富な栄養分が含まれています。
ビタミンC
みかんなど果物に多く含まれており、体の免疫を高める効能や、風邪の予防にも効果があることに加え、色素の生成を抑え、美白効果や肌や粘膜を丈夫にする働きもあります。ブロッコリースプラウトには50mgと、ブロッコリーの4倍含まれています。
ビタミンE
細胞内に発生する活性酸素を取り除く働きに加え、抗酸化作用によって肌の老化を防ぐ働きがあります。血液中の悪玉コレステロールを減らし、女性ホルモンの分泌にも関わっています。さらに心臓や脳の健康維持にも必要な成分です。
βカロテン
野菜や植物の色素の一つであり、体内でビタミンAに変換され、活性酸素を抑える働きのほか、皮膚や粘膜の健康維持に大きく関わっています。また視力回復の働きや視覚に関わる働き、免疫力を付ける働きもあります。
スルフォラファン
植物由来のファイトケミカルと呼ばれる栄養素の一つであり、ブロッコリーの7倍含まれています。
人間の体作りに必要な炭水化物、たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラル、そして食物繊維に続く7番目の栄養素とも言われているのがファイトケミカルです。スルフォラファンはその強い抗酸化力から、私たちの健康や美容に様々な効果をもたらすことが分かっています。
スルフォラファンの体に及ぼす効果
・生活習慣病やがんの予防
・美肌の効果
・肝臓の機能向上によるダイエット効果
・育毛効果
・ピロリ菌の殺菌効果
・二日酔いの解消
・花粉症の改善
スルフォラファンには抗酸化作用と解毒の効果があり、体内に取り込まれると体の中の各細胞に体を守るための酵素の生成が促され、これによって体内の活性酸素や有毒な物質が排出、また無毒化されます。
ブロッコリースプラウトはどうやって食べるのが体にいい?
生で食べることで、その栄養分を壊さずそのまま取り入れることができます。できるだけ加熱せず、そのままで味わうか、スムージーにして飲む方法がおすすめです。もちろん加熱してもすべての栄養素がなくなるわけではないので、生で食べることが難しい場合は、軽くゆで、おひたしにしてもいいでしょう。ただし栄養分がお湯に溶け出してしまうので、汁ごと取り込むことができるスープやお味噌汁の具に使うのもおすすめです。
またスルフォラファンは噛むなどして細胞を壊さないとブロッコリースプラウトが出てこないため、よく噛んで食べるとさらに効果的です。
スルフォラファン収穫後3日目にその含有量が最大となり、それ以降は減っていきます。さらにスルフォラファンを体内に取り込むことで、生成される酵素の働きは約3日間しか持続しませんので、新鮮なブロッコリースプラウトを3日に1度の割合で継続して食べ続けることで、その効果が持続します。
体に効果がある量や、食べる頻度に注意は必要?
スルフォラファンは、1日に30mgの摂取で体に効果をもたらします。そのためブロッコリースプラウトを15gから20g程度、1日おきに摂取するだけでいいということになります。
ブロッコリースプラウトは生鮮野菜のため、冷蔵庫の保存で1週間ほどは保存できますが、傷みやすいためこまめに購入し、食べるようにしましょう。冷凍すると水分が流れ出てしまい、食感が変わってしまいます。なるべく生の状態で食べるようにしましょう。
家でも栽培可能?ブロッコリースプラウトの栽培方法
パックで購入するのもいいけれど、毎日手軽に食べたい…そんなときには自宅でブロッコリースプラウトを栽培してみましょう。特別な道具はほとんど必要ないので、100均などでそろうもので作ってみましょう。
ブロッコリースプラウトを栽培するために必要な道具
・水切りタッパー(小さめのもの)
・タッパー(水切りタッパーが入る程度の少し大きめなもの)
・水切りシート
・ブロッコリースプラウトの種(園芸店、インターネットでも購入可能)
栽培する際の注意
ブロッコリースプラウトを栽培する際には、清潔な状態を保つことが大切なので、道具は事前に煮沸消毒を行ってから使うようにしましょう。また水切りシートの代わりに、コットンを濡らして行う方法もありますが、カビやすく不衛生になりがちなので、おすすめできません。
栽培方法
1.タッパーと水切りタッパーを重ね、水切りシートを敷いた上に種が重ならないよう種をまきます
2.種が浸からない程度に水を入れます
3.日光に当たらないよう、箱や段ボールをかぶせる、もしくは暗い場所に移して置きます。
4.1日に1回は水を替えます
5.発芽し、長さが4cmから5cmほどに伸びたら明るい場所に移します
6.水やりは霧吹きで行い、カビが生えないよう注意します
7.緑化したら収穫します
自宅で栽培した場合は、保存はせずすぐに食べるようにしましょう。また簡単に自宅で栽培できるキットも販売されていますので、道具をそろえるのが面倒であれば、こちらのキットを使って栽培するのもおすすめです。