人間と同じように猫にも夏バテの症状は現れます。犬と比較して猫は暑さに強いと考えられていますが、体温調節が難しいので、一度夏バテの症状が出るとなかなか体調が回復しないことも少なくありません。
猫の体調を守るためにも夏バテの症状や対処法について知っておきましょう。
目次
猫の夏バテのサインと症状
猫は人間のように苦しさを言葉で説明できません。サインや症状を見逃さず、適切な方法で対処してあげることが大切です。
猫の夏バテのサインと症状を確認していきましょう。
猫の夏バテのサイン
猫の夏バテのサインとして挙げられるのは以下の4つです。
頻繁にグルーミングをする
猫は毛についたほこりを取ったり、気持ちを落ち着けたりするためにグルーミングをしますが、夏にグルーミングの回数が増えたときは夏バテを疑いましょう。
猫が夏にグルーミングを行うときは毛を濡らして体温を調節している可能性があります。頻繁にグルーミングをしているときは体温の調節がうまくできておらず、夏バテが起りかけていると考えられるでしょう。
運動量が減る
猫は夏バテをすると体温の上昇を防ぐために運動量を減らします。普段からあまり動かない猫もいますが、明らかに運動量が減った時は夏バテを疑いましょう。
水をあまり飲みたがらない
猫は人間のように汗で体温を調節できません。
猫の体温調節に重要な役割を果たしているのは気化熱です。これは液体が気体に変わる際に吸収される熱であり、猫はハァハァという呼吸を通して気化熱を放出することで体温を調節しています。
しかしながら、高温多湿の場所では呼吸でうまく気化熱を放出できないことがあります。このときに水を飲む量が減ることがあるため、夏に水を飲まないときは夏バテを疑わなければなりません。
喜んでご飯を食べない
猫は食べムラのある動物です。気が向いた時にごはんを食べる猫も多いですが、毎日決まった時間にご飯を食べている猫がキャットフードに食いつかなくなったときは夏バテをしているのかもしれません。
少量のキャットフードを数回に分けて食べているときは心配いりませんが、全く食べないときは早急に対処をしてあげましょう。
猫の夏バテの症状
猫が夏バテをするとさまざまな症状が現れます。猫の夏バテの代表的な症状は次の5つです。
下痢、嘔吐
猫が夏バテをしたり熱中症になったりすると下痢や嘔吐の症状が現れることがあります。
下痢や嘔吐が続くと脱水症状を起こし、さらに夏バテが悪化する可能性もあるため、暑い時期に下痢や嘔吐をしたら、夏バテを疑って適切な対処をすることが大切です。
おしっこの様子がおかしい
夏バテで脱水症状に陥っているとおしっこの量が減少します。
また、夏バテが進行し、熱中症になると血尿がでることもあります。暑い時期は意識的におしっこの様子を確認すると良いでしょう。
好きなものを食べない
猫は食べムラのある動物です。普段から食べる量に差がある猫の場合は食事量が減ってもそれほど心配する必要はありませんが、好きなものを与えても食べないときは体調を崩している可能性が高いです。
食事を取らなければ、体に栄養が与えられず、夏バテの症状が悪化することもあるため、注意が必要です。
体が熱い
人間と同じように猫も熱中症になると発熱することがあります。おでこやわきの下を確認し、普段と比べて体が熱いときは体温が高くなっている可能性が高いです。
目や口の粘膜の充血
目や口の充血も夏バテや熱中症の症状の一つです。充血は結膜炎などの病気でも引き起こされますが、暑い時期にぐったりとしているときは夏バテの症状と考えて良いでしょう。
夏バテに気付いた時の対処法
猫が夏バテの状態になっていることに気づいたらどのように対処すればよいのでしょうか。夏バテの対処法を確認していきましょう。
部屋を涼しくする
夏バテを解消するためには部屋を涼しくすることが大切です。部屋の窓を開け風の通りを促す、またエアコンを使って室温を下げ猫の体調を管理してあげましょう。
エアコンを使う場合は暑すぎず、寒すぎない温度設定をすることが重要です。具体的には28度前後を目安に設定すると猫の体に負担がかかりにくいです。
水分を摂取させる
体内の水分が不足するとさらに夏バテの症状が悪化します。暑い時期は水を飲める場所を増やして水分を摂取しやすい環境を整えましょう。
水をあまり飲まない猫の場合はドライフードにウェットフードをトッピングするのがおすすめ。水分をたくさん含んだウェットフードを食べさせると食事の時に水分を摂取させられます。
食べやすいものを与える
猫の体の機能を維持するためには栄養を摂取することが大切です。暑さが原因で食欲が落ちているときはキャットフードに好きなものをトッピングしたり、おやつを与えたりしてカロリーが不足しないように調節しましょう。
高カロリーのキャットフードを与える
食事の量が減っているときはキャットフードを高カロリーのものに切り替えるのもおすすめです。カロリーが高いキャットフードを与えると少量の食事で必要なエネルギーを確保できます。
なお、高カロリーのキャットフードは与えすぎると肥満のもとになるので、夏バテの症状が治まったら忘れずに普段与えているキャットフードに戻してください。
こんな時は動物病院へ!
夏バテの症状が軽いときは自宅で対処できますが、熱中症を起こしているときは命にかかわる可能性があるので、できるだけ早く獣医の診断を受けさせましょう。
動物病院に行くべきか悩んだら次の7点を確認してください。
・好きなものを与えても全く食べない
・体を動かそうとしない
・息が荒く、心拍数が早い
・ふらふらとよろける
・下痢や嘔吐が止まらない、下血や吐血をする
・明らかに体温が高い
・肉球がしっとりと汗ばんでいる
これらの症状のうち、一つでも当てはまる項目があればひどい熱中症にかかっている可能性があります。症状がさらに悪化する前に動物病院に連れていきましょう。
予防と早めの対処で猫の体調悪化を防ごう
猫の夏バテ対策は予防が大切です。室温が高くなる季節はできるだけ部屋の風通しを確保し、猫の様子を頻繁にチェックしましょう。
夏バテを起こしているようであれば、早めに対策をして症状の悪化を防ぐことが大切です。