実は犬にも起こる「肌荒れ」。全身が毛で覆われているため飼い主が気付くのが遅くなってしまいがちで、気がついた頃には悪化してしまっていることも少なくありません。
肌荒れなどの肌トラブルは人間でも辛いものですし、家族同然の愛犬を肌荒れから守ってあげたいと思うのは当然ですよね。
今回は、肌荒れの有無のチェック方法や肌荒れを起こす原因になる病気、肌荒れを起こした時の家庭でのケアなど、可愛い愛犬を肌トラブルから守る方法について詳しく解説します。
目次
肌荒れしているかどうかをチェック!
犬は全身が毛に覆われているので、その下にある肌のトラブルには気がつきにくいものです。
ブラッシングの際に肌までチェックして、健康なときの肌や毛の状態を把握しておくようにしましょう。また、普段とは違う行動をしていないかどうかも要チェックです。
毛を観察する
肌荒れは毛の下の皮膚に起こるものですが、毛は皮膚の中で作られるため、肌にトラブルが発生していると毛にも影響があらわれます。部分的に毛が抜けやすくなっていたり、ハゲができたり、毛が伸びるスピードが遅かったり、細い毛や縮れた毛が生えてきたりするときは、その毛の下にある肌に何かトラブルが起きていると考えられます。
行動を観察する
やたらと同じ場所を掻いていたり、ものや床に体をこすりつける動作を繰り返しているときは、その部分が肌荒れして強い痒みが出ている恐れがあります。
肌荒れを起こす原因
犬が肌荒れを起こす原因として多いのは、以下の8つです。
1.膿皮症
犬の肌荒れの原因として最も多い病気で、細菌が異常繁殖して湿疹ができてしまうというものです。
細菌は湿度が高い環境を好むことに加え、暑さによる食欲の低下や運動不足で犬の免疫力が低下しやすいため、梅雨~夏場は膿皮症が発生しやすい季節です。
再発しやすいため、根本的な治療や生活習慣の改善が必要になります。
2.ノミアレルギー性皮膚炎
ノミやダニが寄生することで発生するアレルギー性皮膚炎で、こちらもポピュラーな病気です。
見つける度にノミやダニを毛から取り除いていたとしても卵が残っていると意味がありませんし、ノミやダニはクッションやベッドなどにも卵を産みつけるため、いたちごっこになってしまいます。
ノミやダニ退治専用のシャンプーや対策グッズの利用と同時に、クッションやベッド、おもちゃを綺麗に消毒することが必要です。
3.食物アレルギー
実は犬にも食物アレルギーがあります。
動物病院でアレルギーの有無を調べることができ、アレルゲンの入っていない除去食を食べさせることで、症状を改善できます。
4.アトピー性皮膚炎
犬は食物アレルギーだけでなくアトピー性皮膚炎にもかかることがあります。
犬種によりかかりやすさは違いますが、 トイプードルやダックスフント、柴犬、シーズー、レトリバーなど人気の高い犬種もアトピー性皮膚炎になりやすい種類として知られています。
5.脂漏症
「脂漏性皮膚炎」や「マラセチア皮膚炎」とも呼ばれる病気で、痒みや炎症が起こる前にフケが増えたり、皮膚がベタベタしたりといった症状があらわれます。
シーズーやダックスフント、アメリカン・コッカー・スパニエルなど先天的に脂漏症になりやすい犬種もありますが、どんな犬種でも内分泌やターンオーバーの異常などが原因で発症することがあります。
6.体質に合わない食事
ダイエットなどで食事の内容を変えたり量を減らしたりして栄養バランスが崩れていると、肌質や毛質が悪化することがあります。元のフードや量に戻すことが難しければ、サプリメントで栄養を補ってあげましょう。
7.ホルモンバランスの乱れ
特に避妊を行っていない雌犬に多く見られます。
発情期間にホルモンバランスが変化することで抜け毛などの肌トラブルが発生することがあり、一過性のものなので徐々に落ち着いてきますが、あまりにも症状が重いようであれば動物病院で相談した方が良いでしょう。
8.免疫力の低下
免疫力が低下すると、人間も犬も病気に抵抗する力が弱まります。
免疫力は加齢とともに低下しますが、キレイにしてあげようとするあまり過剰にシャンプーを行うなどして清潔にしすぎていると肌を守る常在菌まで取り去ってしまい、若い犬でも免疫力の低下を引き起こします。
肌荒れを起こした時の家庭でのケア
肌荒れを起こさないために、また起こしてしまったときに、ご家庭では以下のようなケアをしていきましょう。
シャンプーしすぎない
犬は人間ほど頻繁にシャンプーをする必要はありません。シャンプーをし過ぎることで常在菌や肌に必要な皮脂まで取り去ってしまい、ニオイや肌荒れを引き起こしてしまうこともあります。シャンプーは毛がちょっとベタッとしすぎてきたなというタイミングで行ってください。
使用するシャンプーは犬専用のものを使用し、肌に優しい低刺激なものを選ぶとより良いでしょう。
栄養バランスの良い食事を心掛ける
食生活の乱れは肌質や毛質の乱れに直結します。フードは犬種にあったものを選び、食事制限の必要がある場合は、サプリメントなどで栄養を補いましょう。動物病院で相談すれば、最適な食事メニューを提案してもらえますよ。
愛犬の体質を理解して早めのケアを心掛ける
犬の肌荒れは、犬種や体質、遺伝が影響していることも少なくありません。
犬の体質を把握し、肌荒れしやすい時期にはスキンケアを念入りに行ったり服を着せたりして、早め早めのケアを行うと肌荒れしにくくなりますし、肌荒れしてしまっても悪化させなくて済みます。
愛情たっぷりのチェック&ケアで肌荒れ知らずを目指そう
犬の生活は飼い主のお世話にかかっています。
日頃から丁寧にケアをして肌や毛の状態を確認することで、肌荒れや肌荒れの悪化を防ぐことができます。給餌や散歩に続く毎日のお世話に加えて、肌荒れ知らずを目指してあげましょう。