正直怖い!犬が唸る10の原因と原因別しつけ方法

正直怖い!犬が唸る10の原因と原因別しつけ方法

あなたの可愛い愛犬が唸ることはありますか?いくら可愛くても、やっぱり唸られると正直ちょっと怖いときもありますよね。それに、愛犬が唸るのを放っておくと、咬傷事故など重大なトラブルを引き起こしてしまう恐れがあるんです。

でも、犬が唸るのには何か原因があります。「唸る」という行動に目がいきがちですが、原因を見つけて、原因に合った対応やしつけをすることが必要です。

そこで今回は、正しい対応ができるように犬が唸る原因や原因別のしつけ方法を解説します。原因と対応の正しい知識を身につけ、愛犬の気持ちを理解してあげられる飼い主を目指しましょう。

犬が唸る原因

「唸る」という行動は、原因は何であれ威嚇であることに変わりはありません。一種の防衛本能であり、噛み付くといった攻撃的な行動に繋がっています。

唸る理由には様々なものがあり、犬が唸る原因を見極めることが正しいしつけの第一歩。「唸る」という行動だけを見て無理矢理辞めさせようとしても、根本的な問題が解決していないと、犬がいきなり噛むようになってしまうなど状況を悪化させてしまうだけです。

まずは、犬の気持ちを理解するために、犬が唸る11の原因を見ていきましょう。

1.恐怖心からくる唸り

ペットショップやブリーダーから購入した愛犬と普通に生活をしている分にはあまり出ることのない唸りですが、保護犬など過去に捨てられたり虐待を受けていたりといった過酷な経験のある犬に見られることがあります。

尻尾と耳をたれ下げて身体をぶるぶると振るわせながら弱々しい声で唸っているなら、恐怖心を抱いていると考えて良いでしょう。

2.餌を取られそうになったときの唸り

自分の餌を取られそうなときに出る唸りで、ご先祖様であるオオカミの名残と考えられています。現在でもオオカミにこの唸りはよく見られます。

3.おもちゃを取られそうになったときの唸り

毛布やおもちゃなど、今遊んでいるものやお気に入りのものを取られそうになったときに出る唸りです。

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4.自分の優位性をアピールする唸り

相手に対して、自分の方が立場が上であるとアピールするための唸りです。耳をピンと立てており、時には毛を逆立たせることさえあります。

犬は群れで生きる動物ですので下位のものに対して自分の立場を知らしめるために唸るのは自然なことですが、人間に対してこのように唸るのは周囲の人間を見下している証拠ですし、飼い主や飼い犬以外の家族にまでこのように唸るようでは問題があります。

5.縄張り意識から来る唸り

自分の縄張りへの侵入者に対して出る唸りです。特に外飼いの犬に多く見られ、郵便屋さんや宅配業者、出前の配達など、外から来た人に対して唸ることが多いです。

侵入者を威嚇して縄張りを守るために歯を剥き出しにして唸るので、正直少し怖いと感じるでしょう。

6.母性からくる唸り

母犬が子犬を守ろうとするときに出る唸りで一過性のものです。妊娠中や出産後の母犬はもちろん、想像妊娠中にも見られます。

7.仲間を守るための唸り

見知らぬものから仲間を守ろうとして出す唸りです。この場合、飼い主や一緒に暮らしている家族が「仲間」です。

滅多に合わない友人・知人など、犬自身があまり馴染みのない人間が家に入ってきたときや、散歩中にばったり出会ったときなどにこの唸りが出ることがあります。

8.喧嘩による唸り

犬同士での喧嘩が始まる前に出る唸りで、オスよりもメスに多く見られます。

犬が互いに睨み合って唸っていたら、もういつ喧嘩が始まってもおかしくありません。

9.遊んでいるときの唸り

じゃれ合っているときや綱引きなどをして遊んでいるときに出る唸りで、怒っているわけではありません。

相手を威嚇しているときは鼻の上にシワを寄せているので、シワの有無で喧嘩なのか遊んでいるだけなのかを簡単に見分けることができます。

10.痛みによる唸り

病気や怪我で痛みを感じるときに、体を触られないように近づいてくる人を威嚇する唸りです。

動物病院でよく目にします。

11.薬剤制の唸り

糖質コルチコイド薬というステロイドを服用している犬に見られる唸りです。2016年にニュージーランドにある大学の研究で、糖質コルチコイド薬を服用している犬に、神経質になったり、怒りっぽくなったり、食事中に唸るようになったり、拒絶反応が増えたりといった様々な行動の変化が確認されました。

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唸り方で原因を特定できることも!

ご紹介したように、犬が唸る原因は多岐にわたりますが、その原因を放置して唸ることだけを止めさせるようにすると、最悪の場合、威嚇なしでいきなり噛み付くような犬になってしまいます。

「唸る」という行動ばかりに目を向けず、根本的な原因を取り除くことが重要です。

でも、何が原因で唸っているのかわからないこともありますよね。そんなときは、唸り方に注目してみましょう。犬は感情によって声や姿勢などの唸り方が変わりますので、そこを見極めることで原因を探ることができるんです。

攻撃的な唸り

・前傾姿勢で対象を睨みつけている
尻尾が高く上がっている
・全身の毛が逆立っている
鼻の上にしわを寄せている
・歯を剥き出しにしている
・耳を前に向けて傾けている

といったポーズを取っているときは、一触即発状態。

典型的な威嚇のポーズでいつでも戦う気満々なので、不用意に近づいてはいけません。

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守備的な唸り

・体を低くしている
・耳を後ろに倒している
尻尾をお尻の下に巻き込んでいる

といったポーズをとっているのは、恐怖心などによる身を守るための唸りです。近づくと一歩下がるなど離れようとする行動をとることもあります。

怯えているように見えても恐怖が振り切れると噛み付いてくる事もあるので、慎重に接する必要があります。「可哀想に」と撫でようとするのは事故の元です。

低いうなり声

鼻の上にシワを寄せたり歯をむき出しにしたりはせず、低い声で唸るのは警告です。

自分のものを取られると感じたときや、見慣れない人が近づいてきたときなどに、「あっちに行け」という意味で唸ります。

短く高いうなり声

遊んでいるときのうなり声は、高く短いものになりやすいです。

うなり声が高くなったり低くなったりする

強がった威嚇の際にみられます。時々うなり声が途切れるのは、自信のなさのあらわれです。

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唸る原因別のしつけ方法

犬の唸り癖をしつけるときの鉄則は、

・唸る原因に少しずつ慣れさせる
・してほしい行動をとったときに、すかさずご褒美をあげる
・しつけは犬が落ち着いているときに行う
・しつけは1回10~15分。数日~数週間根気よく続ける

の4つです。

唸る原因を無視し唸ったときに体罰を与えるようなしつけの仕方では、「唸る」という行為を止めることはできても犬は余計にストレスを溜め、いきなり噛み付くなどほかの問題行動に繋がってしまいます。

それを踏まえて、特に代表的な唸りである「恐怖心からくる唸り」と「餌をとられそうなときの唸り」、「おもちゃなどお気に入りのものを取られそうなときの唸り」のしつけ方法をご紹介しましょう。

恐怖心からくる唸りのしつけ方法

人の手に恐怖心を抱く犬のしつけの最終目標は、人の手から餌を食べさせることです。フードやおやつなどの餌を使用しますので、犬がお腹を空かせている状態で行うのが理想的と言えます。

しつけは、以下のようなステップで進んでいきます。

1.犬の目の前でゆっくりと食器に1つずつ餌を入れて手を離す
2.手の中に餌を握ったまま食器に1つずつ入れ、手を食器の近くに置いたままにする
3.人の手から直接餌を食べさせる

もし犬が警戒して唸ったら目をそらして完全に無視し、「人の手は餌をくれる」「唸ると餌がもらえない」「唸らなければ餌がもらえる」ということを覚えさせます

2以降のステップでは、警戒して餌を食べないようであれば一旦前のステップに戻って、少しずつ慣らしていくようにしましょう。

注意点としては、狙い通り餌を食べてくれたからといって、いきなり頭を撫でようとしないことです。人の手に恐怖心を抱いている犬は、上からくる手を相当怖がっています。「殴られる」と思って身を縮めてしまったりしますので、しつけが完了するまでは上から手を出さないようにしましょう。

飼い主の手から餌を食べるようになったら、今度は家族や周りの人にも協力してもらって、飼い主以外の手からも餌を食べられるようにしましょう。そうすることで、「飼い主の手はいいことをしてくれる」ではなく「人の手はいいことをしてくれる」ということを学習し、公園やドッグラン、散歩や来客など様々なシーンで出会う人々に突然噛み付いたりすることを避けられます。

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餌を取られそうになったときの唸りのしつけ方法

餌をとられそうになったときに唸る犬は、放っておくと飼い主などの人間に対して攻撃的になると言われており、できるだけ早い段階で改善しなければならない状況です。

お腹を空かせた状態で行いますので、噛み付かれることが心配であれば厚手の手袋をするなどして手を守っておきましょう。また、このしつけ中の餌はウェットフードではなくドライフードを使用してください。

1.犬をリードに繋いで目の前に空の食器を置き、飼い主の手元に1食分の餌が入った食器を置く
2.犬が唸ったら目をそらして無視し、唸るのを止めたら飼い主側の食器から犬側の食器に数粒の餌を投げ入れる

これを毎食繰り返して、「人の手が食器に近づくと餌がもらえる」「唸ると餌がもらえない」「唸らなければ餌がもらえる」と学習させます

犬が慣れてきたら次のステップに進みましょう。

1.少量の餌を等分して2つの食器に入れ、それぞれを約30cm話して設置する
2.犬が片方の食器から餌を食べているときに、手の中に犬のお気に入りのおやつなどを持ってもう片方の食器にゆっくりと近づく
3.犬が餌を食べ続けていればもう片方の食器におやつを入れ、唸ったら手を止める
4.1食分の餌がなくなるまで2~3を繰り返す

犬が唸らなくなってきたら徐々に2つの食器の距離を近づけ、最終的には食器を1つにして、犬が食べている食器に手を近づけても唸らないようにしていきます。

おもちゃを取られそうになったときの唸りのしつけ方法

犬が唸っておもちゃなどを独り占めしてしまう場合は、犬が特にお気に入りにしているおもちゃなどを使用してしつけを行います。

1.紐をつけたお気に入りのおもちゃを犬に見せ、唸ったら視線を外して無視します。唸るのを止めたらおもちゃをあげて、しばらく遊ばせたら紐を引いて回収するというトレーニングを唸らなくなるまで続けます。

2.犬がおもちゃで遊んでいるときにおやつを握った手をゆっくりと近づけ、唸らなければおやつをあげます。唸ったらあげません。「手が近づいてくると良いものがもらえる」「唸るともらえない」ということを学習させましょう

3.手を近づけても犬が気にしなく、遊んでいるおもちゃを離させるトレーニングに移ります。「出せ」「ちょうだい」などのコマンドがしっかりと通るようにしていきましょう。

日頃のスキンシップも大切

どのしつけにも言えることですが、ある程度飼い主の手に慣れてきたら、マッサージなどでスキンシップを取り、「人の手は気持ちのよいこともしてくれる」ということも学習させていきましょう。

背中や脇腹、頭など犬が嫌がりにくい部位からはじめ、じっとしていられたらフードやおやつを少量ご褒美にあげます。慣れてきたら、耳の先や足など犬が抵抗を感じる部分にステップアップし、最終的に犬を仰向けに寝かせられるように、そしてご褒美の量を減らしてご褒美なしでも触らせてくれるようにしていきます。

犬が自由に体を触らせるようになることは、群れとしての上下関係の構築にもとても大切なことですし、様々な問題行動を予防し、何かトラブルが発生したときにもより早く犬を落ち着けることができるようになります。

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一人でのしつけが難しい場合はドッグトレーナーを利用して

犬が唸るのは、何か原因があるからです。「唸る」という行動だけを問題視するのではなく、その原因を見つけて、徐々に慣れさせるようにします。怪我や病気が原因ということもあるので、原因がわからない場合は獣医を受診させるようにしましょう。

また、どうしても自分一人ではしつけられないという場合は、ドッグトレーナーを頼ってみてください。単純に犬のしつけだけをするのではなく、飼い主に対しても厳しく犬との接し方を教えてくれるようなトレーナーがおすすめです。

ただ可愛がるだけではない、本当に家族(群れ)の一因として幸せに暮らしていくために必要なことを教えてくれますよ。

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