突然、手や足ががくがくと震えて力が入らなくなると、焦りますよね。意識していないときに手や足ががくがく震える時は痙攣を起こしている可能性があります。
手足の痙攣はどうして起こるのでしょうか。また、痙攣を予防することはできるのでしょうか。
ここでは、手足の痙攣の原因や予防方法についてご紹介いたします。
目次
そもそも「痙攣」とは?
そもそも、痙攣がどのような症状なのかわからないという人も多いでしょう。まずは、痙攣とは何なのか確認していきます。
痙攣は無意識に起こる筋肉の収縮です。
通常、筋肉は脳が神経に命令を出し、神経からの指令を受けて動きます。歩く、食べる、運動するなどの動作は神経から筋肉に命令が届き、それが正常に実行されることによって行われているのです。
ところが、痙攣が起こるときは脳や神経が正常に働いていません。脳から神経、筋肉へと適切な命令が伝わらないため、体を動かす必要がないときに筋肉が動いてしまうのです。
こむら返りも痙攣の一種
痙攣と言うと手足の震えやてんかんの発作などを思い浮かべる人は多いです。しかし、痙攣にはひきつるという意味も含まれており、手足のつりやこむら返りも痙攣の一種とされています。
手足が痙攣を起こす原因
多くの場合、痙攣は脳や筋肉に起こる異常が原因で引き起こされると考えられています。痙攣の具体的な原因について確認してみましょう。
筋肉の疲労
激しい運動をした後は手足が痙攣しやすいです。これは筋肉が疲労し、筋肉内にあるマグネシウムやナトリウム、カルシウムなどのミネラルのバランスが崩れてしまうことが影響しています。
ミネラルは神経伝達や筋肉の収縮に関わる栄養素なので、筋肉内でミネラルバランスが崩れると脳や神経からの命令を正常に受け取れずに、痙攣が起こるのです。
高熱の影響
4歳くらいまでの子どもは高熱を出すと、両手足に対称の痙攣を起こすことがあります。多くの場合はしばらくすると治まりますが、5分以上高熱による痙攣が続く場合はすみやかに救急車を呼びましょう。
書痙
普段は正常なのに、文字を書こうとするときに手だけが痙攣を起こす場合は「書痙(しょけい)」の可能性が高いです。
書痙はストレスや筋肉に力が入ってしまうジストニアという病気が原因で引き起こされます。
特に作家や記者、ライターなど書くことに対してプレッシャーが大きい職業の人や人前で字を書く機会が多い人に見られることが多いです。
病気
脳や甲状腺の病気によっても痙攣は引き起こされます。
脳の病気
脳腫瘍や脳梗塞になると、手足が痙攣して、上手く動かせないことがあります。
左右どちらかの手足だけが痙攣する場合や頭痛、吐き気、上手く話せないなどの症状があるときはすみやかに医師の診察を受けましょう。
甲状腺の病気
女性に多い甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症も手足の痙攣を引き起こす病気として代表的です。甲状腺の機能に異常があると、ホルモンの分泌が乱れ、ミネラルが不足して痙攣が起こります。
甲状腺の病気は20代から30代の人にも多いです。
動悸がしたり、短期間で体重が大幅に変動したりと他に自覚症状がある人は一度、甲状腺ホルモンの値を調べられる血液検査を受けてみると良いでしょう。
手足の痙攣を起こさないようにする方法
病気が原因でない場合、手足の痙攣はいくつかの方法で予防できます。痙攣で慌てないために、予防法を知っておきましょう。
筋肉に疲労を蓄積させない
筋肉に疲労が溜まるとミネラルバランスが乱れて、痙攣が起こりやすい状態になります。そのため、痙攣を予防するにはできるだけ筋肉に疲れを溜めないことが大切です。
筋肉が疲れるような激しい運動をした後は使った筋肉をストレッチして疲労を取り除きましょう。夜は入浴して全身の力を抜き、ゆっくりと睡眠をとることも心がけてください。
適度な運動を心がける
筋肉に疲労を溜めたくないからと言って、全く体を動かさないのはおすすめできません。普段から意識的に体を動かさなければ、年齢とともに筋肉量は減少します。
筋肉量が減少したときに、体を動かすと、一部の筋肉にかかる負担が大きいです。
継続して運動していなければ、軽い運動でも筋肉が疲労してしまうので、日常生活では体を動かすことを意識しましょう。
運動が苦手な人は歩く距離を増やしたり、自転車に乗って出かけたりするだけでも、運動不足を予防できます。
ミネラルを摂取する
ミネラルのバランスが乱れているときはできるだけミネラルを摂取するようにしましょう。
スポーツドリンクで運動中の痙攣を予防
運動中はミネラルバランスが崩れやすいので、水ではなくスポーツドリンクで水分補給してください。ミネラルがバランスよく含まれたスポーツドリンクを飲むことで痙攣を予防できます。
食生活にミネラルを取り入れる
頻繁に痙攣を起こす人は食事にミネラルを取り入れましょう。マグネシウムが多いアーモンドやカルシウムの多い小魚などを食べるとミネラルバランスの乱れを改善できます。
ストレスを溜めない
書痙や甲状腺の病気を引き起こす原因の一つがストレスです。日ごろから、人間関係などに悩んでいる人は趣味などに時間を費やし、ストレスの発散を心がけましょう。
ストレスを発散させるとぐっすりと寝られるので、筋肉疲労の予防にもつながります。
できることから手足の痙攣を予防しよう
手足が痙攣するとどうしたらいいのか戸惑ってしまいます。多くの場合、手足の痙攣は数分で治まりますが、他に自覚症状がある人や痙攣が頻繁に起こる人は一度医師の診察を受けましょう。
痙攣の原因が病気でない場合はできることから対策をして痙攣を予防してください。