その取り方や持ち方で大丈夫?再確認したい箸の使い方のマナー

その取り方や持ち方で大丈夫?再確認したい箸の使い方のマナー

アジアで普及している箸ですが、日本の場合、昔から箸を神聖な道具とみなしてきた歴史があります。儀式や式典の際には、神様と人を結びつけるための「橋渡し」の道具として活用されてきました。このような背景から、現在でも箸を使用した作法が重要視されています。

しかしながら悲しいことに、近年では子供や大人の箸使いのマナーが乱れてきていることも事実です。子供に箸の使い方をしっかりと教える必要がある大人でさえも、正しい箸の使い方をマスターできていないケースが非常に多く、私たちの大切な日本の文化が薄れつつあるのです。

箸の持ち方は大丈夫?

現在大人でも箸を正しく使える人は、なんと全体の半数程度しかいないという、衝撃な数字が上がっています。

大人になれば、目上の人との会食の機会も増えることでしょう。接待やおもてなしをする際には和食が主流ですが、そんな時あなたは箸を正しく使いこなせますか?

美しい箸の持ち方は、大人としての基本中の基本です。   「和食の作法は、箸に始まり箸に終わる」というほど、私たち日本人にとって箸を綺麗に使いこなせるかがどれだけ重要なものであるかということは、言うまでも無いでしょう。

その取り方や持ち方で大丈夫?再確認したい箸の使い方のマナー

箸の使い方のマナー(取り方から置き方まで)

「箸でただ美味しく、楽しく食事が食べれればいい」と言う考えは、箸を使い始めの子供だけが許されるものだと思った方が良いでしょう。大人になれば、箸を正しく握ることはもちろんですが、それに併せて正しい箸の取り方から置き方をマスターしておくべきです。箸の使い方は、その人の育ちを表すと言われています。箸の作法を知っている人が見れば、作法を知らない大の大人ほど、残念なものはありません。この機会に正しく美しい箸の使い方を取得してみませんか?

箸の取り方

箸置きに置いてある箸を取る時には、まずは右手を使い、箸の中央よりも少し右側を上から軽く握るように持ちましょう。この時には右手の指は揃えるように、そして箸同士が2本ともぴったりとくっついている状態をキープするように気をつけましょう。

そして左手を箸の下からそっと添えるように置き、その後箸を持った右手をすっと箸の右側に滑らせるようにしましょう。

右手を箸の右側まで移動させたら、箸の上で右手を折り返すように下から押さえるようにして持ち直しましょう。

箸の使い方

箸を持ち上げた後、箸の持ち位置を決めた後は、右手の中指を箸の間に滑り込ませ、そのまま箸を握るようにしましょう。箸を使用する際には、基本的に上の箸のみを動かし、下の箸は常に固定されている状態にしましょう。

箸を使用する際には、右手をなるべく箸の右側で使用した方が綺麗に写ります。箸の中央で握る癖がある方は、少しずつでも右手を箸の右側に持っていくように意識することから始めると良いでしょう。

箸の置き方

使用した箸を箸置きに戻す場合は、基本的に箸を取る時と全く逆の手順で問題ありません。箸を戻す時にも、箸は常に揃えて開かないように注意しましょう。そして、箸置きに箸を戻す時には、音を立てないようにそっと静かに戻すことも忘れずに。

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お箸のマナーNG例

正しい箸の使い方を勉強するためには、作法としてNGな行為もしっかりと頭に入れておく必要があるでしょう。食事の場で度々目にする、多くの人がやりがちな代表的なマナー違反行為をご紹介します。

NGな箸の持ち方

正しく箸を持てることは基本中の基本ですが、多くの大人が実際に、NGな持ち方を子供の頃から続けてしまっていることも事実です。中でも代表的なものは「握り箸」と呼ばれ、箸を握るような持ち方です。そしてもう1つが「ペン箸」です。ペンを持つように握ってしまうことが特徴と言えるでしょう。どちらの箸の持ち方も、食事中に箸としての機能を全く果たさず、さらに一緒に食事をしている他人にまで不快感を与える可能性もあります。

食事中のNGな行為

食事中には箸の持ち方以外にも、箸を正しく使用した上で食事をする必要がありますね。そんな中でも、多くの人が経験したであろう代表的なNG行動5つをご紹介します。

寄せ箸

子供の頃に寄せ箸をして親から怒られた方も多いのではないでしょうか。寄せ箸とは、箸を使って料理の入った器を手前に引き寄せる行為です。

渡し箸

渡し箸とは、食事中に一旦箸を置く時に、個人の取り皿など器の上に箸を放置する行為を指します。箸置きが用意されていない席で、渡し箸をしている光景をよく見かけるものです。箸置きがない時には、代わりに箸袋などを折り、箸置きがわりに使用しましょう。

迷い箸

迷い箸とは文字通り、箸を持ったまま「どの料理に手をつけようかな」と、お皿の上で箸をふらふらさせながら迷う行為を指します。

探り箸

お皿に盛られた料理は、和食の場合繊細に盛り付けがされているものです。基本的にはその盛り付けを崩さずに、手前から綺麗に食べることがルールとされています。探り箸とは、その様な盛り付けを無視して、奥の料理から手をつける行為を指します。食事中にもお皿の上の料理を綺麗に食べることも、作法として必要です。

ねぶり箸

食事中についた箸先の汚れを取ろうとして、口で舐める行為をねぶり箸と呼びます。

食後のNG行為

食事が終わったからといって、箸を折るようなことはもってのほかです。使用済の箸は箸袋へ戻すようにしましょう。しかし、綺麗な箸袋に箸を戻してしまうと、使用済みかそうでないかの区別がつきません。基本的には、使用済みの箸を箸袋に戻す際には、箸袋の先端を結んだ上で、箸先のみを箸袋に入れる様にしましょう。

その取り方や持ち方で大丈夫?再確認したい箸の使い方のマナー

正しい箸の使い方は大人としての常識

食事中は、意外にも相手の手の動きに目がいくものです。大切な食事の場だからこそ、一緒に食事をする相手に嫌な気持ちにさせないことが重要でしょう。正しいマナーを身につけることで、食事相手も清々しい気分で食事を楽しめると同時に、箸を使う本人のイメージも構築されるものです。大人としての箸の使い方は、正しいものを習得しておいて損はありません。

箸の作法は数え切れないほどあり、時には複雑さを感じることもありますが、これも日本独自の歴史であり、文化であり、心なのです。すべての作法に意味があるということをしっかり理解し、私たちでその作法をしっかりと伝承してきたいものですね。

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