電気代を節約するために、使用しない電気はこまめに消したり、エアコンの温度に気を遣ったり、テレビをつけている時間を短くしたりといった工夫をしている方は多いですよね。でも、家庭の中で一番電気を使っている冷蔵庫の節電となるとどうでしょう?
冷蔵庫は一年365日休みなく動かしているものだからこそ使用する電気代も高く一般家庭における全消費電力の14.2%を占めています。ここを節約することができれば、電気代を大幅に節約することができそうですね。冷蔵庫の電気代節約術を実践して、次の請求の大幅減を実現させましょう。
目次
冷蔵庫にかかる電気代を計算してみよう!
まずは、今いくら冷蔵庫の電気代にかかっているのかを計算してみましょう。冷蔵庫の電気代は、消費電力量から簡単に計算することができます。消費電力量は、冷蔵庫の取扱説明書に記載があるので確認してみてください。
電気代は、以下のような計算式で算出することができます。
年間消費電力 × 1kWhあたりの電力量単価 = 年間の電気代(目安)
1kWhあたりの電力量単価は、契約している電気料金のプランによって異なりますので、契約内容を確認してください。なお、2006年にJIS(日本工業規格)による消費電力量の計算方法が改訂されており、その最新の計算方法を採用している2006年以降に販売された冷蔵庫の方が、より正確な消費電力量から電気代を計算できるようになっています。
冷蔵庫にかかる電気代を節約する方法
先ほどの計算で算出した電気代は、飽くまでも「目安」です。冷蔵庫の使い方次第で実際の電気代が変わってきます。電気代を節約する6つの方法をご紹介しましょう。
1.適切な温度設定を保つ
冷蔵庫は、温度設定が低くなればなるほど電力を消費します。冷蔵庫内の温度を適温にしておくことが冷蔵庫の節電の大原則です。温度設定がダイヤル式のものなら「弱」や「低」に、細かく温度設定できるデジタル式であれば冷蔵庫は1~5℃、野菜は3~7℃、冷凍庫は-22~-18℃を目安に設定しましょう。
2.冷蔵庫は壁から離して設置する
取扱説明書にも記載されていることですが、冷蔵庫は壁や棚から離して設置して放熱スペースを確保するようにしましょう。壁や棚と十分な距離が空いていないと、冷蔵庫の放熱の熱がこもり、その熱を冷やすためにさらに電力を消費しなければならなくなってしまいます。同じ理由から、冷蔵庫の上にものを置くのも止めましょう。
どれくらい放熱スペースを取れば良いかは冷蔵庫によって異なるため取扱説明書に記載されていますが、環境省では5cm以上スペースを空けることを推奨しています。
3.食品を詰め込み過ぎない
冷蔵庫内にパンパンに食品が詰め込まれていると、せっかくの冷風が庫内に行き渡りにくくなり温度が下がりにくくなってしまいます。そうすると、庫内を冷やすためにより電力を消費することになるので、電気代が余計にかかってしまいます。常温で保存しても問題ないものは常温で保存するようにするなどして冷蔵庫内に入れる食品の数を減らし、スムーズに冷風が回るようにしておきましょう。保存する量は容量の60~70%を目安にしてください。冷風口も前に食品などを置いて塞いでしまわないように注意してくださいね。
また、熱いもの・温かいものを冷蔵庫に入れると庫内の温度が上昇してしまいますし、何より周りにある食品が傷んでしまう恐れがありますので、しっかり冷ましてから冷蔵庫に入れるようにしましょう。
4.冷凍庫はぴっちり収納
冷蔵庫は容量に余裕を持って保存することで冷風の循環が良くなって省エネになりますが、引き出し式の冷凍庫は逆です。
冷凍された食品そのものが保冷剤代わりになるので、隙間なくぴっちり収納した方が扉を開閉したときの温度の変化が少なくて住みます。
5.不必要に開閉しない
冷蔵庫の扉を開けるとその度に庫内の温度が上がり、その上がった温度を下げるために多くの電力を消費します。「何が残ってたかな」と何度も扉を開けたり「あれはどこだったかな」と扉を開けている時間が長くなってしまわないよう、いつも冷蔵庫のどこに何を保存しているかを把握しておき、冷蔵庫の扉を開ける回数を最小限に減らしましょう。一緒に使うことが多い物は同じカゴの中にまとめておくなど、扉を開けている時間を短くする工夫をするのも良いですね。
冷気を逃さない方法として冷蔵庫用のカーテンを使用するというものもありますが、カーテンを使用すると中身が見えづらくなったり、出し入れがしにくくなってしまいますし、冷蔵庫のポケットに冷気が届きにくくなるので注意が必要です。特に冷やしておかなければならないものはポケットではなく庫内に入れる用にするなど収納方法をよく考えましょう。また、カーテンの丈が短過ぎるとその隙間から冷気が逃げてしまいますので、冷蔵庫用カーテンを使用するなら長さをきちんと調節しましょう。扉を開閉した拍子に外れてしまわないよう、設置場所も少し奥にすると良いですよ。
6.冷蔵庫のドアパッキンは定期的に交換する
長く使用している冷蔵庫は、ドアパッキンが緩んだり劣化したりして隙間ができていることがあります。その隙間から冷蔵庫の冷気が逃げてしまうと庫内の冷風効率も悪くなってしまいますので、定期的に交換するようにしましょう。ドアパッキンが痛んでいないかどうかのチェックは簡単です。冷蔵庫の扉に紙や名刺を一枚挟んで閉め、紙が落ちてきたらドアパッキンが痛んでいます。交換しましょう。
また、メンテナンスという意味では冷蔵庫の外側の掃除も大切です。特に背面などにはホコリが溜まりやすく、溜まったホコリで放熱効果が低下すると消費電力も増えてしまう場合があります。普段見ることのない場所かもしれませんが、こちらも定期的に掃除をして電力を無駄に使わないようにしていきましょう。
電気料金のプランも見直そう
電気の単価は、契約している料金プランによって異なります。一番電気を使う時間帯に電気料金が安くなるかどうかなど、契約している料金プランが自分や家族のライフスタイルに見合っているかどうかを確認してみましょう。現在は電力自由化でよりおトクな電力会社を選べるようにもなりましたので、電力会社そのものを変えることも検討してみてください。
冷蔵庫を買い替えたほうが良い場合も!
冷蔵庫は年々性能が上がり、省エネも進んでいます。10年前の冷蔵庫を比較すると、現在のものは約40%も節電できているとも言われているんです。もしご家庭の冷蔵庫が10年以上前のものでしたら、思い切って買い替えを考えてみてください。
なお、冷蔵庫は大きいものより小さいものの方が電気代が安いようなイメージがあるかもしれませんが、実は大型のもののほうが省エネ性能がよく、消費電力も小さくて電気代が安くなる場合があります。冷蔵庫そのものの値段は大型の方が高額ですし設置場所の問題もありますので一概には言えませんが、冷蔵庫を選ぶ際には消費電力も検討項目に入れてみてください。
冷蔵庫は家庭の電力消費量の大きな割合を占めていますが、だからこそちょっとした工夫次第で電気代を抑えることができるようになります。電力会社や冷蔵庫そのものを変えることはすぐにはできないかもしれませんが、まずは設定温度の見直しや食品の保存方法など今すぐできる工夫に取り組み節約していきましょう