家屋損壊やご近所トラブルの原因にもなるシロアリ被害ですが、専門業者に頼むとなるとそれなりに費用がかかってしまいます。もし初期段階の被害であれば、自分で駆除することが可能かもしれません。
今回は自分でシロアリを駆除する方法についてご紹介します。
シロアリの種類と生態
シロアリに種類なんてあるの?と驚く方もいるかもしれませんが、日本でよく被害があると言われるシロアリの種類は下記の3種類です。
・ヤマトシロアリ
・イエシロアリ
・アメリカカンザイシロアリ
シロアリの生態
普通のアリと同様、社会性を持ち、集団を作ります。シロアリは基本的に湿った場所を好み、枯れ木や朽木を食料とすし、巣の広げ方・大きさ・個体の色などに多少の違いがあり、それらの違いから種類を見分けることができます。
・ヤマトシロアリの生態
ヤマトシロアリは日本で一番一般的なシロアリの種類で、チャノキシロアリという別名があります。ヤマトシロアリの大きさは翅の有無でも異なりますが、大体5mm~7mm程度で女王アリの場合でも15mm程度です。
集団規模が小さく臆病で分散しやすいという特徴があるため、ヤマトシロアリによる被害は大きなものにならない場合がほとんどです。イエシロアリと見た目が似ているとよく言われますが、大きさや兵アリの頭の形が円筒形などの違いがあります。
・イエシロアリの生態
ヤマトシロアリと外見が似ているため、よく比べられることが多いシロアリですが、ヤマトシロアリと比べて体・集団・活動領域など全てが大きくその分被害も大きなものになります。また性格も凶暴であり、人間でもかみつかれることがあるので、早急に駆除しなければいけないシロアリの一つです。
・アメリカカンザイシロアリの生態
ヤマトシロアリやイエシロアリと比べて日本に入ってきて日が浅い種類です。名前にあるカンザイとは乾燥した材木の意味でヤマトシロアリやイエシロアリが湿った木材に巣を形成するのに対して乾材の内部に巣を形成します。見た目も翅アリの色が赤褐色であるのが特徴です。
巣の再生能力が高いことや材木の中で生息することなど駆除が難しいシロアリの一つです。
シロアリ被害を見分ける方法
家屋に何かしらの損壊があった時、その原因を瞬時に見分けられる人は少ないと思います。
中でもシロアリの被害は木材に起こるため、木が腐ったために起こった劣化なのかシロアリ以外の虫が原因なのか知識がないと判断することができません。
気が付くのが遅れればそれだけ被害も広がりやすいため、早く気が付いて適切な対処が出来るように注意してみてみましょう。
シロアリ被害を見分けるには以下のポイントがあります。
それは「土」です。
シロアリの食害の場合、シロアリが土を運んでいる場合がほとんどです。木材表面にある穴や隙間、削れた部分が土で覆われるため、そこがチェックポイントになります。
間違えやすい木材劣化の原因としては木が腐っている場合とキクイムシやジバンムシといった木材の中で幼虫期を過ごす種類の虫などがいる場合です。いずれにしても土の付着・詰まりは見られないため、シロアリ被害との見分け方の決め手になります。
シロアリを自分で駆除する方法
シロアリを自分で駆除するには2つの方法があります。
・薬剤を使用する方法
・毒餌を使用する方法
いずれかです。
もしシロアリ駆除の前に羽アリを見かけることがあれば、掃除機で羽アリを吸い取ってしまいましょう。羽アリは羽アリが飛び出す専用の穴から出てくるため、そこを狙って吸引します。羽アリは掃除機の衝撃で死ぬか水分がないところに閉じ込めることで死ぬため吸い取った後はゴミ袋に詰めてゴミ箱に捨ててください。掃除機での吸引は殺虫剤を使用する前の方が簡単に行えます。
シロアリの駆除は羽アリの駆除だけでは終わりません。
羽アリの駆除が終わったら、働きアリの駆除をする必要があります。
働きアリの駆除の際、準備として雨漏りや水漏れなどの修理をしておきましょう。雨漏りや水漏れを放置しているとせっかくシロアリを駆除してもまた被害が起こるリスクが高まります。
シロアリ駆除用品には以下の種類があります。
・スプレー型
シロアリの被害箇所や巣穴に直接スプレーします。自分で駆除する場合に一番簡単な方法であると言えます。ただし、効果があるのはスプレーした箇所になるため、広範囲に使用したい場合は不向きです。巣の場所が特定出来ている場合の使用がおすすめです。
・体タイプ・噴射型
専用の噴射器を使用して薬剤を広範囲に撒きます。巣の場所が特定出来ていない場合にも効果が期待でき、予防効果に優れているのが特徴です。
・粒剤
殺虫目的ではなく予防に使用するタイプです。
シロアリの移動ルートにまくことで効果が期待できます。
・ベント型
毒餌を使用するタイプのことをベント型と言いますが、置いておくだけなのでとても簡単な駆除方法であり、毒餌をシロアリが巣へ持ち帰るため、巣の根絶も可能です。ただ即効性に欠けるのがデメリットです。
まとめ
自分で出来るシロアリ駆除の方法についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
家屋の被害などの原因になるシロアリで代表的なものは3種類あり、それぞれ特徴が異なり、被害範囲も変化します。アメリカカンザイシロアリを除き、多くのシロアリは湿った場所を好むため、雨漏りや水漏れなどを起こさないようにするのがシロアリ被害予防の第一歩です。
シロアリ駆除は初期段階であれば薬剤や独餌を使用して駆除することが出来るため、なるべく早期発見できるように注意してみましょう。もし発見段階ですでに被害が深刻であれば、専門業者に依頼することがおすすめです。