気軽に乗ることができる自転車は、通勤や通学に活用する人も多い乗り物です。最近ではスポーツや健康作りのために自転車に乗る人や、走ることに特化したロードバイクにも人気が集まっています。
しかし自転車は盗難にも遭いやすく、自転車だけでなく部品が盗まれることも少なくありません。そこで、盗難に遭わないための防止策や鍵の選び方について詳しくご紹介します。
目次
自転車の盗難をする犯人の特徴と理由(目的)
自転車はバイクや原付よりも盗難されることの多い乗り物です。なぜ、このように盗難に遭うことが多いのか、その目的や理由について詳しくご紹介します。
自転車の盗難の目的とは
自転車の盗難の目的には、大きく分けて3つのものがあります。
・軽い気持ちによる盗難
・転売する目的によるもの
・特定の自転車を欲しいことによるもの
中でも最も多いのが、チョイ乗りとも言われる軽い気持ちでの盗難です。自分が移動するために「ちょっとだけ乗る」ことが目的なので、乗り捨てられることが多く、盗難に遭った後自転車が別のところで見つかることもあります。
転売目的やその自転車を手に入れることが目的の場合は、自転車が戻ってくることはほぼありません。またサドルやハンドルなど、一部だけを持ち去ることもあります。
盗難をする犯人の特徴
盗難に遭わないようにするには、盗難をする犯人の心理も理解しておく必要があります。
マニア、オタクな犯人
自転車が好きなので、盗んだ後きれいにしてくれていたり、部品をグレードアップしてくれていたりします。どうしても欲しい気持ちが先に来てしまうので、「たまたま鍵がかかっていなかった」など、持って行きやすい状況の自転車を見つけたときに誘惑に負けてしまうタイプです。
転売目的の犯人
お金がなく、必要に迫られて盗む犯人、最初から転売目的で盗み、盗難品と分からないように改造して転売する犯人、そして外国に転売するためにグループ組織で盗難を行う犯人集団などがあります。これらの犯人は鍵がかかっていても壊す、またはそのまま盗難するため、鍵をかけていても盗まれることがあります。
チョイ乗り、うっぷん晴らし、嫌がらせの犯人
チョイ乗りは学生や酔っ払いがほとんどですが、うっぷん晴らしや嫌がらせのために盗難をする犯人は、特定の人のものというよりも、盗みやすい自転車をターゲットにします。
これらの盗難は、夜や人の少ない場所に止めてある自転車だけでなく、昼間たくさんの人が行き交う駐輪場でも起こります。 「すぐ戻ってくるから」という気持ちで施錠をしないで離れた場合、被害に遭う確率は高くなります。
自転車に乗る前にすべきこと
自転車を購入したときには、盗難対策として次のことを必ずしておきましょう。
防犯登録
平成6年から防犯登録は義務となっていますので、新しく自転車を購入した場合は防犯登録を行わなければなりません。また自転車を他の人から譲り受けた場合、また転居して住所が変わった場合にも、変更の届けが必要となります。
通販で自転車を購入した場合も、購入した証明になる書類があれば、近所の自転車屋さんで登録することが可能です。
自転車盗難保険の加入
高級な自転車を買ったときには、万が一のことを考えて保険に入っておきたいところですが、自転車の盗難は多く、盗難保険はあまりありません。メーカーなどによっては盗難補償が設定されており、1年から3年の補償で、盗難に遭った際には同じ車種の自転車を割安で購入できる制度があります。
また火災保険などの特約で、家財保険に自転車が補償対象となるものがありますので、保険会社に確認してみてもいいでしょう。
盗難防止のための鍵の選び方と鍵のかけ方
保険や補償が十分とは言えない以上、自転車は自己管理で守ることが必要と言えます。盗難されやすい自転車は施錠していない自転車が最も多く、次いで施錠をしていても鍵が一つだけだった場合です。
盗難されにくい鍵とは
・破壊されにくい鍵を選ぶ
チェーン製のものだと壊すのに時間がかかるため、盗難されにくいと言えます。しかしチェーンでも細いものは切られることもあります。
・地球ロックできる鍵を選ぶ
地球ロックとは、地面に設置、または固定されているガードレールや木などに鍵をかける方法です。そのため1m以上の長さがあるものがおすすめです。ただしロックの仕方によっては、自転車の部品だけを外されることもあります。
・2つ以上の鍵がついている
鍵が多ければ、それだけ外すのに手間取るため、盗難の危険性は少なくなります。
・目立つ鍵
大きな鍵、色が派手な鍵などは、鍵があることをアピールするだけでなく、目立つために盗難しにくいイメージを与えることになります。
・すべて鉄でできている鍵を選ぶ
ワイヤーやチェーンと違い、特殊な工具がないと破壊できません。ただし重量があり、持ち運びには向いていない鍵です。
さらに、鍵をかける際にも注意が必要です。
盗難されにくい鍵のかけ方
・タイヤとフレームをいっしょにする
車輪だけを地球ロックしていると、タイヤ以外の部品が盗難される可能性があります。
・チェーンやワイヤーなどが地面についている
丈夫な鍵でも、てこの原理でカットされる可能性が高くなります。
ただし地球ロックは場所によっては駐車違反となることもありますので、基本的には駐輪場に留めるようにしましょう。
自転車が盗難に遭いやすい場所とは
自転車が盗難に遭いやすい場所には最初から停めないことも考え、少しでも安全な場所に停めるようにしましょう。
デパートやショッピングセンターの駐輪場
自転車がたくさん停められているため、実は一番盗難に遭いやすい場所です。
自宅の駐輪場
外といっても人の出入りができる以上は危険です。家の中で保管するのが一番安全と言えます。
自転車が多く停められている場所
駅前や駐輪場以外の路上など、他の人も停めているところは、盗難だけでなく自治体の撤去対象となることがあります。
盗難に遭わない一番の方法は自分の体から離さないことですが、それが難しい場合は、短時間であっても必ず施錠をする、もしくは自転車を家族に見てもらうなどし、自衛することが何よりも大切です。