ふと自分のお腹をさわったときに、お腹が冷たいと感じたことはありませんか?「血管が集中してないから」「あまり筋肉が無いから」と思う人はいますが、実は腸が冷えている「内臓型冷え性」なのかもしれません。
手足の外側から来るような冷え性と違い、内側から来る腸の冷えは、思っている以上にさまざまな弊害をもたらします。腸が冷える原因とその悪影響、そして改善策をご紹介します。
目次
腸の冷えを引き起こしやすい人の特徴
なかなか自覚しにくいのが腸の冷え。だからこそ注意していかないといけません。
内臓の温度は37.2度~38度と、表面の体温よりも高いのが理想的ですが、直接温度を測ることはできません。ですので、これから挙げる項目のうち、当てはまる項目が多い人は、すでに腸が冷えているかもしれません。
・お腹を壊しやすい
・顔色が悪い
・肌トラブルが多い
・お腹を壊しやすい
・便秘
・低体温(平熱が35度台)
・すぐに疲れやすい
・むくみやすい
・風邪を引きやすい
・肩こりがひどい、神経痛
当てはまる項目は何個あったでしょうか?今は少ないという人でも、加齢とともに腸が冷えやすくなります。定期的にチェックするようにしましょう。
腸の冷えを引き起こす原因
腸が冷える原因はいくつかあります。その原因挙げますので、思い当たるものはないかチェックしてみてください。
筋肉量が少ない
腸が冷えてしまうのは血液の循環の悪さが挙げられます。女性は男性と比べ筋肉量が少なく、運動不足や加齢によっても筋肉量は減っていきます。筋肉量が少ない人ほど血液の循環が悪いという特徴があり、結果、腸の冷えを引き起こしてしまいます。
自律神経の乱れ
不規則な生活を続けたり、継続的にストレスを感じたりしていると自律神経が乱れてしまいます。人間関係や仕事のストレス、過労、寝不足などが原因です。自律神経が正常に働かないと、血液の流れも滞ってしまい、腸の冷えを引き起こします。
過度なダイエット
食事制限ダイエットをすると摂取するカロリーが減ってしまいます。運動量を増やさずに食事の量を控えていると、代謝を上げて血液を循環させ、体を温めることはできません。脂肪も燃えにくくなり、腸も冷えてしまうと悪いことばかりです。また、もともと少食の人も気を付けないといけません。
体を冷やす飲食物の摂取
冷たいアイスクリームやジュースなど、直接お腹を冷やすような食べ物や飲み物を摂取することでも腸は冷えます。夏にお腹を壊しやすい人は冷たいものの摂りすぎです。野菜や果物などにも体を冷やす性質を持つものがありますので、注意してください。
腸の冷えがもたらす悪影響
(1)腸には体の約6割以上の免疫細胞がありますが、腸を温めていないとこの免疫細胞はしっかり働いてくれません。腸が冷えていると免疫力が低下してしまい、風邪を引きやすかったり、アレルギーを起こしやすくなります。
(2)腸の中の消化酵素は温度が高いときに活発に働いています。しかし腸の温度が低いと、せっかく食べた食事の栄養がきちんと吸収されません。栄養が吸収されないと、また血流が悪くなって腸が冷える、といった悪循環が繰り返されます。
(3)肌にしわができる、たるむ、シミができるといった肌の老化現象も引き起こしてしまいます。腸の冷えは悪玉菌を増やすので、悪玉菌から発生した有害物質が酵素の働きを邪魔します。その結果、肌のターンオーバーが悪くなり、肌荒れを起こしやすくなります。
(4)体の中の老廃物を出すために便をしますが、腸が冷えると便秘にもなってしまいます。腸は消化の働きを担当していますから、しっかりと働いてくれないと便がコロコロと硬くなったり、出てこなくなったりしてしまいます。
最悪の場合はガンになることも!
腸の冷えが引き起こす悪影響の5つめは大腸ガンです。実は、女性のガンによる死因で最も多いのは大腸ガンなのです。
免疫細胞にはガン細胞を撃退する働きがあります。しかし腸が冷えていると免疫細胞の働きが悪くなり、ガンのリスクが上がります。ただの腸の冷えだと甘く見ていると、最悪の場合ガンを患ってしまうこともあり得るのです。
腸の冷えを改善する方法
腸の冷えを改善するには、何と言っても体を温めることが一番です。血液の循環が良くなると内臓にまできちんと血流が届きます。これから紹介する方法で体を温めるようにしましょう。
お風呂にしっかり浸かる
体全体を直接温めるお風呂はとても効果的です。シャワーだけで済まさず、お風呂にしっかり浸かりましょう。生薬成分が入っているとぽかぽかと体が温まりますので、生薬が配合された入浴剤を使うことをおすすめします。
運動することを意識する
仕事や家事に忙しくしていると、人は運動をしなくなってしまいます。できることなら運動する時間をきちんと取り、日頃から体を動かすことを意識するように生活してください。
カイロや腹巻を使う
カイロや腹巻は、冷えがひどいときには手早く温めることができる優れものです。しかし根本的な改善にはならないので、これだけに頼ることはやめましょう。
ここまで腸の冷えの原因と悪影響、そして改善策をご紹介しました。まずは自分の腸の状態を確認して、悪影響が出るまえに改善していきましょう。