家族同然に可愛がっているとはいっても、犬には食べさせてはいけない人間の食べ物があるということを知っていますか?食べ物によっては、毒になるもの、アレルギーの原因になることもあります。大切な愛犬が元気に長生きできるために、気をつけたい食べ物についてご紹介します。
危険度「高」の食べ物
犬に食べさせてはいけないものは意外と多くあります。基本的にはドッグフードを与えるのが一番ですが、人間が食べているのに興味を持って、子犬などは口に入れてしまいがちです。危険度の高い、死亡する可能性の高いものからご紹介します。
ねぎ類(玉ねぎ、長ネギ、にらなど)
ねぎ類には赤血球のヘモグロビンを酸化させる成分、アリルプロピルジスルファイドが含まれています。これらのねぎ類と一緒に料理したものにも成分が含まれていますので、与えてはいけません。特に玉ねぎは「玉ねぎ中毒」を起こし危険です。
チョコレート、ココア(カカオ類)
カカオ成分のデオブロミンが中枢神経を刺激する毒素となり、嘔吐や痙攣といった症状を引き起こします。犬の体重1kgあたりチョコレート200gから500mgが致死量の目安となります。
キシリトール(甘味料)
少量でも食べると血糖値が低下します。嘔吐や内出血、肝不全などが発症します。
レーズン、ブドウ
嘔吐や下痢が起こり、腎不全を起こし、死亡するケースもあります。ただし、因果関係についてははっきりしておらず、食べても問題のなかった犬もいます。しかし有害であることは臨床実験で明らかになっていますので、食べさせないようにしましょう。レーズンを含んだパンも同様です。
マカダミアナッツ
食べても症状が出ない犬もいますが、少量でも中毒の症状が出ます。
アボガド
多量に摂取したときに、嘔吐や下痢などの胃腸の炎症から死に至るとされています。アボガドに含まれるペルジンが毒とされており、ペルジンは葉や種子、樹皮にも含まれます。
人間用の医薬品、サプリメントなど
鎮痛剤、風邪薬、栄養補助食品などを誤飲する事故が増えています。特に鎮痛剤に含まれるアセトアミノフェン、イブプロフェンは強い中毒を起こすため、死に至ります。目に見えない症状を起こしていることがありますので、人間用に処方されたものを間違って飲み込んでしまった場合は、すぐに獣医さんに見てもらうようにしてください。
危険度「中」の食べ物
危険度「高」のものほどではありませんが、それでも食べさせてはいけないもの、食べると中毒の症状が出るものをご紹介します。
ニンニク、ガーリックパウダーなど
玉ねぎなどのねぎ類と同じく、アリルプロピルジスルファイドが含まれており、嘔吐や貧血などを起こします。
ただし玉ねぎなどのように多くは含まれていないので、大量摂取したときに注意が必要です。
アワビ、サザエなど貝類
光線過敏症を発症し、腫れやかゆみの症状が現れます。春先は貝毒が多く含まれるため、注意が必要です。
するめ
するめは水分を含んで膨張します。そのため食道で詰まったり、腸から通過できなくなったりして吐き出すこともできない状態になります。
豚肉(生)
寄生虫による体重減少や下痢が起こります。加熱により、寄生虫は死滅します。
硬い骨
鳥や鯛の骨は硬く、また加熱すると割れて刺さりやすくなります。
アルコール
少量でも嘔吐や下痢、意識障害などの症状が出ます。
カフェイン
コーヒーやお茶、コーラなどにも含まれます。心臓や神経系に異常を及ぼします。
香辛料
胃に刺激となり、肝臓に負担となります。
ぎんなん
メチルビルドキシンという成分が嘔吐やめまい、呼吸困難といった症状を引き起こします。散歩中にうっかり口に入れることがあるため、注意が必要です。
イーストのパン(生)
イーストが胃で膨張します。またアルコールを形成して、アルコール中毒になることもあります。
危険度「低」の食べ物
与えすぎると良くないもの、また消化に悪いものなどが含まれます。
生の貝類(アサリ、しじみ)、甲殻類(エビやカニ)、淡水魚(鯉やマス)、イカ、タコ
生のものを大量に摂取すると、ビタミンB1欠乏症を発症します。食欲低下や嘔吐などの症状があります。特にイカやタコは消化に悪いので与えない方がいいでしょう。
生卵
生の白身部分に含まれるアビジンがビオチンを分解するため、下痢や皮膚炎などの症状が起こります。加熱すれば大丈夫です。
青魚(サバやアジ)
食べ過ぎるとビタミンE欠乏症となります。ただし食べ過ぎなければ体にいい食材です。
レバー
食べ過ぎるとビタミンA過剰症となり、骨が変形するといった症状が起こります。
ナッツ類
油脂が多く含まれるため、嘔吐や下痢が起こります。また塩分も多く付着しているので、与えない方がいいでしょう。
ココナッツ
油脂により、胃の不調や下痢が起こります。少量なら問題ありません。
たけのこ、椎茸
消化が悪く、下痢などを起こしやすくなります。
ハム、ソーセージ、ちくわ
塩分が多く、腎臓などに負担となります。
柑橘類(みかん、ユズ)
大量に摂取すると、胃の炎症が起こります。
野菜類
ほうれん草に含まれるシュウ酸は結石の原因に。また、野菜はあまり消化がよくないので、摂取量が多いと胃腸の負担になることもあります。少量で刻むなどすれば食べても問題はありません。
体質によっては注意したい食べ物
危険ではありませんが、個体差があり、症状が出ることのある食べ物です。
牛乳
ラクトースという乳糖を消化する働きのある酵素、ラクターゼを犬は持っておらず、飲むと下痢を起こしてしまうのです。しかし飲んでも大丈夫な犬もいます。ただし栄養としては不足しているので、子犬などには与えないようにしましょう。
煮干し、海苔、かつお節
マグネシウムを多く含んでいるため、結石になりやすくなります。
また海苔には調味料が多く使われているため、食べさせない方がいいでしょう。
ミネラルウォーター
マグネシウムやミネラルが多く、犬には過剰な量となります。
普段は食べさせる機会がなくても、お正月などの祝いの席などで、ついあげてしまうということもあります。
人間と同じように考えて安易に与えると危険ですので、与えないよう注意しあうようにしたいですね。