飲みかけのペットボトルってどうしていますか?外出先であれば、バッグなどにそのまま入れて持ち歩いている人は多いでしょう。部屋で飲んでいたとしても、テーブルの上にそのまま置きっぱなしにしているなんて人もいますよね。
そのペットボトル、危険です!
目には見えませんが、時間が経つごとに細菌がワサワサと増えています。どんな細菌がどれくらい繁殖するのか、いつまでに飲み切ったほうが良いのかなど、詳しくご紹介します!
目次
飲みかけのペットボトルにはどれくらいの細菌がいる?
たった一口飲んだだけのペットボトルでも、数時間後には驚くほどの細菌が繁殖します。ここでは、500mlのペットボトル飲料を使って行われた調査結果についてお話します。
麦茶の場合
無添加の麦茶を使った調査では、室温27度、湿度85%の部屋に置いておき、5歳の女児に2時間おきに計5回、10時間後まで30〜50mlずつ飲んでもらっています。食事は途中一回、おやつは数回とってもらい、歯磨きはナシ。2時間おきに細菌の数を検査するというものです。
口を付けて飲んだ場合、2時間後には細菌が870匹発生していて、4時間後には細菌の数は1万匹。6時間後には1万8千匹になり、24時間後には23万匹にも増殖しました。
スポーツ飲料の場合
上記と全く同じ条件で、スポーツ飲料を使った調査も行っています。その結果によると、2時間後に420匹の細菌が、4時間後には820匹に増えていました。ただし、麦茶と比べると細菌の数が少ないことが分かります。
その後6時間後に1200匹、10時間後に1600匹と細菌はゆっくりと増えていき、24時間後には2500匹という結果になりました。
開封しただけでも油断大敵
上記の調査でコップに移し替えて飲んだ場合には、24時間後も細菌は確認されませんでした。ただし、コップに移し替えて飲めば長く保存がきくというわけではありません。コップに移し終わった後、冷蔵庫で保管していたとしても2、3日を目安に飲み切りましょう。
細菌の人体への害は?
細菌と言ってもいろいろな種類がいますよね。一体どんな菌が増えていって、体にどんな影響を与える可能性があるのかをご紹介しましょう。
黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌という名前、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。皮膚の常在菌(常にいる細菌のこと)としても知られていて、身近な細菌だと言えるでしょう。普段は特に悪さをしない細菌ですが、繁殖すると食中毒を起こす可能性があります。
この菌は10度以下の環境では繁殖できないのですが、常温で置いておくと増えてしまうので注意が必要です。
大腸菌
大腸菌は腸管内に生息している常在菌の一種です。普段は無害なので人体への害はありません。しかし、何かが原因で腸以外の場所で繁殖してしまうと、下痢や泌尿器の感染症などを引き起こしてしまいます。
大腸菌の中には、人に対して病原性を持ったタイプがいます。総称して『下痢原性大腸菌』と呼ばれ、O-157もこれに当てはまります。
カンジダ菌
カンジダ菌は皮膚や口の中、消化器官、膣などにいる常在菌です。健康なときであれば免疫機能がしっかりと働いて、カンジダ菌が悪さをするのを抑えてくれます。しかし、体調不良や妊娠などで抵抗力が落ち、免疫機能が弱っているときに感染症を引き起こすことがあります。
口の中にいる菌なので、ペットボトルに口を付けたらすぐにペットボトル内に入ったと思っておいた方が良いでしょう。繁殖する前に飲み切ってしまうことが大切ですよ。
細菌の繁殖を予防する方法
いつもいる細菌が繁殖することで、思わぬ健康被害を引き起こします。では、繁殖を予防することはできるのでしょうか?
保管は冷蔵庫で
細菌は常温のままで放置しているとあっという間に増えていってしまいます。特に気温が30度を越える夏は、細菌にとってパラダイス。活発に動いて繁殖していきます。
一度でも口を付けたペットボトルは冷蔵庫で保管しましょう。5度以下で保存すると、菌の繁殖を抑えることができますよ。
小さなペットボトルにする
出先でペットボトルの中身を別の容器に移し替えて飲む…ちょっと難しいですよね。そんなときには500mlよりも少し小さい280~350mlサイズのタイプを選びましょう。短時間で飲み切れるようにすることがポイントですよ。
口を付けたら4~5時間で飲み切る
飲みかけのペットボトルを冷やしておくことができない、小さいサイズじゃ物足りないからイヤだ!という人は、口を付けたら4~5時間以内に飲み切ってしまいましょう。
これくらいの時間の経過なら、体に害を及ぼすほど細菌が繁殖していることは少ないので、参考にしてみてくださいね。
賞味期限は未開封のときの目安
ただ開封しただけのペットボトルだと「賞味期限はまだ先だし、開けただけで飲んでないから大丈夫かな…」と冷蔵庫に入れっぱなしにしていませんか?賞味期限は密封状態であることが大前提。栓を開けてしまえば、外気と一緒に病原菌が入り込んでしまう可能性があります。
『開封しただけでも油断大敵』の項目でも触れていますが、栓を開けたら2~3日で飲み切るようにしましょう。