ニラはレバニラ炒めや餃子などの料理に使われているおいしい食材。独特の香りが食欲をそそるので、つい食べすぎてしまうことも多いですよね。
しかし、ニラを食べたときはニオイが気になります。ニラの臭いは食後16時間ほど続くので、夜にニラを食べすぎると翌朝も口や体が臭いことも少なくありません。
「たくさんニラを食べたいけれど、ニオイが残るのは嫌だ」というときはどのような対策をすればよいのでしょうか。
今回はニラ独特のニオイの元の成分や嫌な口臭を予防する方法についてご紹介いたします。
目次
ニラによる口臭は「アリシン」が原因
そもそも、ニラを食べると口や体が臭くなるのはどうしてなのでしょうか。
これは「アリシン」という成分が理由です。アリシンとニオイの関係を詳しく見ていきましょう。
アリシンって何?
アリシンはニラに含まれる香り成分です。
ニラには元々「アリイン」と呼ばれる成分が含まれていますが、ニラを切ったり、歯で噛んだりすると「アリイナーゼ」と呼ばれる酵素と結びついてアリシンに変わります。
さらに、アリシンは体内で「アリルメルカプタン」と呼ばれる物質に再度分解されます。
アリルメルカプタンはアリシンと比べて非常に強いニオイを発生させるため、ニラを食べると口臭や体臭が出てしまうのです。
アリシンの働き
ニラのほかにニンニクなどにも含まれているアリシンの香りは唾液や胃液を分泌します。これによって食欲増進の効果を期待できます。
さらにアリシンは血液をサラサラにしたり、疲労を回復したりする作用もあります。アリシンは口臭のもとですが、健康にとって大切な成分でもあるのです。
アリシンが口臭を引き起こすメカニズム
アリシンを含むニラを食べるとアリシンの臭いは血液に取り込まれて体中を巡ります。アリシンを含んだ血液が肺に到達すると呼吸の時に体外にニオイが排出されてきつい口臭を引き起こします。
アリシンによる口臭の特徴は長時間臭いが消えないことです。一度血液に取り込まれたアリシンは食後16時間も体内にとどまると考えられているので、ニラを食べすぎると半日以上口臭が続いてしまうことがあります。
なお、アリシンを含んだ血液は体中に運ばれるので、汗として排出されると体臭の原因となります。ニラを食べた後は口だけでなく、体も臭くなってしまうので、注意が必要です。
ニラ料理を食べた後の口臭の予防法
「たくさんニラを食べたいけれど、口臭が気になって食べられない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
口臭を気にせずにニラを食べたいときはしっかりと予防をすると良いでしょう。ニラによる口臭の予防法として効果を期待できるのは次の4つです。
牛乳を飲む
ニラを食べる前に牛乳を飲んでおくとアリシンによる口臭を予防できます。
牛乳がニラの臭いを抑えてくれるのは牛乳がアリシンをコーティングするためです。ニラを食べる前に牛乳を飲んでおくと、胃に到達したアリシンは牛乳に含まれるたんぱく質によって包み込まれます。
そのため、アリシンのニオイが体内に広がらず、ニラを食べても口臭や体臭が現れません。
ニオイを抑えるためにはニラを食べる10分程度前にコップ一杯程度の牛乳を飲むと良いでしょう。ニラをたくさん食べる時は食事中の飲み物を水やお茶から牛乳に替えるのもおすすめです。
緑茶を飲む
緑茶には「カテキン」や「タンニン」が含まれていますが、これらには消臭作用があると考えられています。
そのため、ニラを食べた後に緑茶を飲むと口臭を抑える効果を期待できます。
ニラによる口臭を予防するために緑茶を飲むときに気をつけたいのは食後、できるだけ早く緑茶を飲むことです。
アリシンは一度血液中に取り込まれてしまうと長時間血液とともに体中を巡って口臭や体臭を発生させてしまうため、アリシンが血液に取り込まれる前に緑茶を飲みましょう。
目安としてはニラを食べ終わってから30分以内に緑茶を飲むことをおすすめします。
カフェインには注意
なお、タンニンは紅茶やコーヒーにも含まれています。さらに、紅茶やコーヒーにたくさん含まれるカフェインにも消臭効果はあります。
そのため、ニラの口臭予防としては紅茶やコーヒーを飲んでも効果は期待できます。
しかしながら、カフェインを大量に摂取すると血圧が上昇したり、頭が痛くなったりするので、食後に紅茶やコーヒーを飲む場合は飲みすぎないように注意してください。
ポリフェノールを摂取する
りんごやホウレン草、カカオなどに含まれているポリフェノールにはアリシンのニオイを抑える効果があります。
ニラによる口臭を予防したいときは食後のデザートとしてりんごやチョコレートを食べてアリシンのニオイを軽減させましょう。
ポリフェノールを含んだ食べ物もアリシンが血液に取り込まれる前に消臭効果を発揮します。
アリシンが血液とともに体中に広がるのを予防するためにはニラを食べ終わった後にできるだけ早くそれらを食べることです。
汗でにおいの元を排出する
汗をかくとアリシンが体外に排出されます。そのため、ニラを使った料理をたくさん食べた後は運動をしたり、お風呂に入ったりして汗をかき、アリシンの排出を促しましょう。
汗をかいたらシャワーを浴びるなどしてアリシンのニオイが体に残らないようにしてください。
調理の工夫で臭いを抑えることもできる
アリシンは調理の時に細かく刻まれると強いにおいを発する性質をもっています。そのため、ニラを使って料理をするときはできるだけ大きめにニラを切ることをおすすめします。
また、ニラを切った後に長時間そのままの状態にしておくとニオイがきつくなっていきます。ニラは料理に使う直前に切るようにするとニオイを軽減できるでしょう。
さらに、アリイナーゼは熱に弱いことが特徴です。ニラを長時間炒めたり、茹でたりするとアリシンが発生しにくくなるため、口臭が気になるときは加熱時間を延ばしましょう。
その一方で加熱しすぎるとニラの食感や風味が変わってしまうことがあるので、好みに合わせて調理方法を加減してください。
ニラを食べる時はしっかりと口臭対策をしよう
ニラを食べて口臭が発生するのはアリシンの影響です。口臭を気にせずにニラを食べたいときは食前や食事中に牛乳を飲んだり、食後に緑茶を飲んだりしてアリシンのニオイを抑えましょう。
ニラを食べてもしっかりと予防をすると口臭は気になりませんよ。